
ブルガリア民族合唱
世界を魅了する鮮烈なブルガリアン・ポリフォニー。
この女声合唱は伝統的な民謡そのものではなく、20世紀後半以降に作曲された創作音楽である。
ブルガリアの天才作曲家フィリップ・クーテフは、地方色豊かな農村で歌い継がれてきた土着の民謡を、ノンビブラートの発声を活かしつつ高度な芸能の域にまで昇華させた。
2024年8月2日(金)、新宿三井ビルディング55HIROBAで開かれた芸能山城組創流50周年記念ケチャまつり」の一環として催されたブルガリア民族合唱を鑑賞した。
1968年、山城組はブルガリア以外では世界で初めて再現に成功し、その後独自のスタイルを加えて歌い継ぐ。

一曲目は「陽は沈む」。雄大な景色を歌っている。
続いては「花束によせて」で、これは恋人の髪につけたブーケのことを詩っている作品だ。
三曲目に披露されたのは「かめさんとはりねずみ」。のんびりと出てきたかめさんがはりねずみと出会って踊りに夢中になってしまうという歌。
その次はノンビブラートを強烈にぶつけ合う歌で、新しいタイプのブルガリア合唱だとされる「ピレンツェの歌」。
最後は「カライ・モーメ」。これはトラキア地方に伝わる民謡で、ゆっくりした曲調で朗々と歌い上げられた。
芸能山城組とは全員アマチュアだ。だから参加する条件はただ一つー芸能のプロではないということ。
1974年、バリ人以外のケチャの全編演奏に成功したことで生まれたのが芸能山城組だ。
ケチャまつりはもう40年以上続いている夏の風物詩。