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ふるさと回帰フェア②

 地方への移住・定住を支援するために自治体などがブースを出して相談に乗る「ふるさと回帰フェア2024」が2024年9月21日(土)に東京国際フォーラムで始まり、多くの人たちで賑わっている。
 およそ260の自治体・団体の担当者が集い、地方への移住や定住を希望する人たちの相談に乗る日本最大級の移住関連イベントだ。今回が20回目。同22日(日)までの日程で開催中。
 認定NPO法人ふるさと回帰センターがまとめた「移住先人気ランキング」の最新版(2023年)によると、一番躍進したのは群馬県だった。前年の9位から一挙に2位に上昇した。


 その群馬県の相談ブースを訪ねた。担当者はいう「移住の受け皿として群馬はうってつけなんです。東京から100キロ圏内でしかも田舎暮らしも出来る。日本列島のど真ん中に位置し、多くのエリアへのアクセスもよい」
 「そのうえ、水が豊富で温泉も多い。また、トップクラスの農業県なんです。標高差を利用した農業が盛んで、育てられる作物も多種類です」。
 さらに担当者は「日本は地震大国ですが、群馬は地震が少ない」と話して、具体的に2023年までのおよそ4年間に東京都で震度4以上の地震が558回怒ったのに対し群馬ではわずか62回でしたと説明した。
 「30代の子育て層に多くの相談を受けています。テレワークもしやすいし、通勤もしやすい」。
 「今までは近すぎて素通りされてきましたが、テレワークが一つのきっかけとなって、やっと群馬の魅力がわかってもらえるようになってきた」。

会場の様子


 次に訪ねたのは4年連続移住先として人気ナンバーワンの座を誇る静岡県。対応してくださったのは静岡県暮らし・環境部・政策管理局・企画政策課(移住・定住担当)の鈴木遥平主査。
 「気候がいいことが大きいと思います。そして食べものが美味しい」と鈴木さん。「首都圏へのアクセスが良くて、静岡市在住で東京に出勤する人も多いんです」。そして仕事の面では「もともと製造業が盛んなところですし、伊豆のほうだと観光業といった具合に幅広い仕事があります」。
 続いては8位から3位にランクを上げた和歌山県。昨年、きめ細かいイベントを行った成果ではないかと和歌山県地域振興部・地域政策局・地域振興課・移住戦略推進班の大橋茉由(まゆ)副主査。
 初心者向けともう一方ではある程度移住を考えて来た人たち向けといった具合にターゲットをそれぞれ絞ってセミナーを開いたという。「毎月2回くらい開催して、参加者もだいぶ多かった」という。
 大橋さんは「和歌山は自然をウリにしています。海の暮らしも山の暮らしも質がよいものが出来るのです」と話す。農林水産業が盛んで、とりわけ梅、みかんなどの果樹、それが儲かるのでけっこう就職したいという人が多いと大橋さんは説明した。

和歌山県のブース


 15位から9位にジャンプアップした山口県の躍進の秘密は「デジタルマーケティング」にあると山口県総合企画部・やまぐち暮らし創造班の松嶋征志郎主事は語る。「昨年からやっているのですが、広告をただ打つのではなく、ターゲットを絞って、そこからのフィードバックに基づいて、また打っていきました。今年も続けています」。


 2011年の東日本大震災および東京電力福島第一原発事故によって大きな打撃を被った福島県だが、移住先人気ランキングではこれまでのランク外から9位に入って来たのだ。
 福島県の飯舘村のブースを訪れて話を聞いた。
 いいたて移住サポートセンターの鈴木敬太さんとSAGA DESIGN SEEDSの佐賀遼社長が説明をしてくれた。
 「新しい人が入ってきています。子ども時代を村で過ごしたが、(震災などで)外に避難して、就職をするタイミングで戻ってきています」「入って来た人たちは存在感があって何でも協力的に考えてくれるのです」。

  飯舘村のブース 
北海道のブース
 石川県のブースなど
奄美群島のブース 
 伊賀市のマルシェ 
青森県田子市のマルシェ

(続く)




 

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