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交流スペースちゃんぽら

 最近よく「第三の居場所を見つけよう」と言われる。第一の居場所が家庭だとすると第二の居場所は学校や職場。そういったところが居づらいとしたら違う場を見つけたほうがいいというアドバイスである。
 そういうケースも多々あると思う。さらに深刻なケースは生活に困窮したりして本当に居場所がない人たちだ。
 どういう理由であれ居場所を探している人たちのための交流スペース「ちゃんぽら」(新宿区西早稲田2-4-7東京DEW1階多目的室)が毎週水曜日の午後2時から5時までオープンしており、誰でも気軽に訪ねてきてほしいと呼びかけている。


 反貧困ネットワークが主催する「ちゃんぽら」ではお菓子、飲み物、たまに軽食も提供される。それぞれ自由に過ごしてほしいという。
 2024年12月25日(水)に訪ねた。クリスマスなどホリディシーズンらしい音楽が流れるなか、集まった人たちは日本では珍しいスリランカ、イラン、ウガンダ、コンゴの料理やスイーツ等を味わっていた。
 日本滞在が18年になるというイランの男性はお国の香りがいいお茶をサーブしていた。甘いお茶だ。画像などで見ることがあるが、イランの街角で男たちがお茶を楽しんでいる、そんなときに飲むものだろうか。
 また、イランの「ハルク」、きな粉のお菓子「ノホッチ」も楽しめた。

 


 こちらも日本語が堪能なスリランカの男性は「デビルチキン」「チャーハン」「ワレ」といった料理の横に控えていた。彼は母国で長年支配を続けてきた大統領が変わったばかりで希望があるように見えているが、引き続きの監視が必要だろうと話していた。

 ウガンダ料理のロレックスが人気だ。巻いてある中身は玉子など。

 「ちゃんぽら」は昨年夏に試験的に開始され、同10月に正式オープンした。その最初から関わってきた元ネットカフェ難民の女性Mさんに話を聞いた。「私は最初からのメンバーで最初から関わっていました」。
 Mさんは2023年1月初め、ネットカフェ生活に倦み、友人が多くいる沖縄に行って海に飛び込んで死のうと考えていた。
 1月3日はJR蒲田駅西口のネットカフェに泊まっていたという。そして箱根駅伝の往路を見ようと考えていたが、外に出た時、京急蒲田駅のところで女性が「何か相談することある?」と聞いてきた。
 Mさんは「相談したってしょうがないじゃない」と最初は考えたそうだ。しかし、「相談は今日一日限り」と言われてちょっと考えた。「箱根駅伝は来年もあるけど、相談は今日限りだっていうならば」と。
 そしてMさんは「自分の健康と生活のことを話した」そうだ。

2年前に家族が離散しプータローに
 Mさんは2年ほど前にいろいろなことがあって家族が離散し、「プータローになって生活が激変した」と語る。そんな中で出会った「相談員」だった。その相談員は彼女を公の場所へと連れて行ってくれた。
 その日を境にして、Mさんはそれまでのネットカフェを点々とする生活から脱するべく、自分でアパートを探しにいったのだ。
 うつ病を抱えている彼女は作業所での仕事をしていた。
 食べ物に関しては山谷や寿町などで炊き出しがあるたびに訪ねて行って手にしていたのだという。
 Mさんはこぼしたーー「こういった生活で出会う人は貧困とか生活保護受給者とか精神病患者とかアルコール依存症の人とかが多い。そういう人たちからはマイナスのことばかり言われて辛くなったりする」。
 そんな彼女は今は毎週「ちゃんぽら」に来ている。
 「ひとまずここは居場所。でも自分の(本当の)居場所がまだ見つけられない。さまよってるかな」と言う。
 そんな人たちが気兼ねなく過ごすことが出来て食べ物や飲み物がある居場所の一つがこの「ちゃんぽら」なのだ。
 問い合わせは℡070-8920-7559(ヒラタ)まで。あるいはメール(s.hira@hanhinkonnetwork.org)で。

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