住み続けたい街ランク㊤
リクルートの不動産サイトSUUMOによる「住み続けたい街ランキング首都圏2024」が2024年10月21日(月)、発表され、一位に横浜のみなとみらい、2位も同じく横浜の馬車道という結果だった。
どちらもみなとみらい線沿線だ。
グラントーキョーサウスタワーで行われた発表会見で笠松美香SUUMO副編集長は「住みたい街ランキングは人気投票のようですが、住み続けたい街ランキングでは住民の実感型の指標を提示したい」と話した。
「住み続けたい街ランキングは多彩で、多様な街がランクインすることが特徴です」と笠松副編集長。
3位以下は:北参道(東京メトロ副都心線)、浜町(都営新宿線)、東銀座(東京メトロ日比谷線)、三越前(東京メトロ銀座線)、鵠沼(江の島電鉄線)、湘南江の島(湘南モノレール)、半蔵門(東京メトロ半蔵門線)、戸越公園(東急大井町線)だった。
10位までに東京都が6駅、神奈川県が4駅がランクインした。
1位2位となったみなとみらいと馬車道エリアは「新(みなとみらい)と旧(馬車道)が融合し多様な人を受け入れる寛容性あるエリア」だとした。
みなとみらいと馬車道は街の魅力全40項目中13の項目で1位を獲得するなど多彩な魅力が受けとめられていることが分かった。
みなとみらい周辺には続々と話題の施設がオープンしており、「賑わい、発展への期待感評価では首都圏ナンバーワン」。
一方、「馬車道周辺は歴史を活かした街づくり。老舗のグルメはもちろん、現代風アレンジもオシャレで活気があふれている」。
また、横浜市は2022年8月に中学生までの医療無償化、2026年度からは中学校の全員給食開始が予定されるなど、「子育てしたいまち」の実現に向けて支援策が次々と打たれているなど、子育て世代からの期待がアップしたことも寄与した。
浜町、三越前はそれぞれ前回調査(2022年)の31位から4位、154位から6位と大幅にランクを上げた。
「緑やゆとり・江戸文化を残しながら、再開発により、たゆまずアップデートされている。若い世代が住みたい・住み続けたい街になっている」。
いずれも文化施設の充実や治安への評価が高い。
また中央区は23区では比較的早く、2003年より従来のワンルームマンション建設重視からファミリー向け住宅の供給を増やす施策を開始した。そのため「子どもを持つ世帯が流入しました。住民が増え、子どもが増え、使う場所つまり施設が増えていきました」と笠松副編集長は話す。
戸越エリアも要注目だという。笠松副編集長はいうー「品川へのアクセスのよさから全国からの転入者に人気です。また、ベンチャー企業が家賃が安い五反田に多く集まっており、そこで働く人たちにも職場への近さと生活のしやすさで選ばれているのが戸越エリアです」。
東京で一番長い商店街があり、「街歩きが日常の楽しみになっている」。
さらにはコロナ禍によってお祭りなど従来のイベントが開催しにくくなり、その代わりに防災力向上イベントへシフトしたと笠松副編集長。「必然性のあるイベントで、企業なども支援しています」。
ここまで紹介したエリアは知名度が高いものの少し家賃が高めだ。そこで「家賃は手ごろで暮らす人の満足度が高い街」のランクの紹介となった。
ファミリータイプ(50平米以上80平米未満)の家賃相場が東京都市部で12万円以下、埼玉県・千葉県で11万円以下。
かつ住民の満足度が高いトップは谷保(南武線)だった。
国立駅からわずか2キロ程度の距離で、家賃は国立の約半分。
さらには大学、住民、行政の連携で若者が町おこしにチャレンジしており、関わる学生数も急激に増加しており、現在は150人(NPO法人くにたち富士見台人間環境キーステーション)だという。
そして2位が砂川七番(多摩都市モノレール)。立川駅からモノレールで7分、新宿からもおよそ49分という利便性のよさに加え、昭和記念公園の自然を享受できるというメリットが紹介された。
3位は南大沢(京王相模原線)だった。
さらに今回、「住み続けたい街(自治体)ランキング」も発表されて、1位は武蔵野市、2位は目黒区、3位が中央区、4位は文京区、5位が港区というトップ5だった。10位以内の半数が23区からランクインした。
神奈川県では6位に横浜市西区、10位都筑区、19位中区、21位青葉区、39位港南区など、横浜市からトップ50に合計8区がランク入り。
埼玉県では9位にさいたま市大宮区、15位にさいたま市浦和区、16位にさいたま市中央区など市中心エリアが上位の傾向。千葉県では8位浦安市、28位千葉市美浜区など湾岸を含むエリアが上位だった。
このランキング調査は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県にある2203駅のうち一定条件をクリアする1057駅が対象。20歳以上の男女を一次調査で317222人、二次調査で51211人カバー。
インターネットによる調査で、一次調査では住んでいる街への継続移住意向を調べ、二次調査では住んでいる街の魅了などについて聞いた。