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ハッピー龍イヤー!
2024年は辰年。「龍」は想像上の動物だ。天に昇り、雨を降らせるなど様々な力をもつとされ、強さや権力を象徴するとされている。そんな龍は東アジアの絵画をはじめとして数多くの工芸品に取り上げられている。
龍は中国の「五行思想」と結びついている。五行思想とは古代中国の自然哲学思想で、万物は木、日、土、金、水の5つの元素から成り立ち、それらが互いに影響を与えながら天地万物が変化、循環するという考え方。
龍は四神のなかで東方を護る青龍となり、西方の白虎と”玉環”を取り合う図像も多く見受けられる。これは陽(東方)と陰(西方)のバランスがとれていることを示し、それにちなむ「龍虎図」がよく知られている。
鳳凰と組み合わせて皇帝と皇后を象徴した「龍凰図」、雲を従わせ天空を飛翔する「雲龍図」、波間に姿を洗わず「龍濤図」など、龍は多彩な姿で表されて、人々に親しまれてきた。
重要文化財の橋本雅邦《龍虎図屏風》(1895年)をはじめ、龍をモチーフとする作品を幅広く集めた「ハッピー龍イヤー!~絵画・工芸の龍を楽しむ~」が2024年1月2日(火)から2月3日(土)まで静嘉堂@丸の内(東京都千代田区丸の内2-1-1明治生命館1階)で開かれる。
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本展では、主文様に龍文を描く清朝・乾隆銘の大盤や、宣徳銘の唯朱盆など工芸品の数々が楽しめる。また、茶釜、漆器・陶磁器の端の文様などに表された、ほとんど見えない線彫りや鋳造された龍文、文様尾が雑で、崩れてほとんど蛇のようになった螻龍文。
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染織からは「名物裂(めいぶつぎれ)」の細かすぎて見えない龍文、青磁や染付瓶の耳にくっついた龍にも注目だ。
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屏風の名作対決も見られる。橋本雅邦《龍虎図屏風》と鈴木松年《群仙図屏風》。ともに「東の雅邦」「西の松年」として評価が高い。
開館時間は午前10時から午後5時(金曜は午後6時まで)。入館は閉館の30分前まで。休館日は毎週月曜日(ただし1月8日(月・祝)、1月29日(月)は開館、1月9日(火)休館)。
1月29日(月)はトークフリーデーとして特別開館する。普段は遠慮しなければならない展示室内での会話が自由に出来る日だ。
入館料は一般1500円、大高生1000円、中学生以下無料。辰年生まれの方、姓名に「龍、竜、辰、タツ、リュウ」がついている方は、同伴者も含め、入館料を200円割引する。
問い合わせは050-5541-8600(ハローダイヤル)まで。ホームページは https.:..www.seikado.or.jp X(旧ツィッター)は@seikadomuseum
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