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初のテレンス・コンラン展

 イギリスの生活文化に大きな変化をもたらし、デザインブームの火付け役にもなったサー・テレンス・コンラン(1931-2020)の日本で初めての展覧会が開催されることになった。
 2024年10月12日(土)から2025年1月5日(日)まで「東京ステーションギャラリー」(東京都千代田区丸の内1-9-1:JR東京駅 丸の内北口改札前)にて開かれる。
 「Plain, Simple, Useful(無駄なくシンプルで機能的)」なデザインが生活の質を向上させると信じていたコンラン。個人の生活空間から都市、社会までを広く視野に入れ、デザインによる変革に突き進んだ。
 戦後まもなくテキスタイルや食器のパターン・デザイナーとして活動を始めたコンランは、1960年代、ホームスタイリングを提案する画期的なショップ「ハビタ」をチェーン化して成功を収めた。

  コンランのパターン・デザインによるディナープレート「チェッカーズ」、1957年 Courtesy of the Conran family, Conran Foundation and Conran IP Ltd.
コンランがデザインしたトラベルケース「トラベル・ザ・ワールド」(グローブ・トロッター製)、2019年、個人蔵 Courtesy of the Conran family, Conran Foundation and Conran IP Ltd.


 1970年代から展開した「ザ・コンランショップ」におけるセレクトショップの概念は、日本を含む世界のデザイン市場を激変させた。ほかにも家具などのプロダクト開発、廃れていたロンドンの倉庫街を一新させた都市再開発、書籍の出版など関わった事業は多岐にわたった。

 ザ・コンランショップの紙袋、1980年代、デザイン・ミュージアム/テレンス・コンラン・アーカイヴ蔵 Courtesy of the Design Museum/ Courtesy of the Conran family and Conran Foundation and Conran IP Ltd.
改修されたミシュラン・ビル(レストラン「ビバンダム」とザ・コンランシヨップ、1987年改修) Courtesy of the Conran family and Conran Foundation and Conran IP Ltd.


 1950年代からはレストラン事業にも乗り出し、高級レストランからカジュアルなカフェまで50店舗以上を手がけ、モダン・ブリティッシュと称される新しい料理スタイルをイギリスの食文化に定着させた。

コンランが手がけたレストラン「ブルーバード」(1997年開店) Photo: Alex Pareas, Courtesy of Conran and Partners/ Courtesy of the Conran family and Conran Foundation and Conran IP Ltd.


 さらにもう一つ大きな功績としては、長年あたためていたデザイン・ミュージアムの設立構想を1989年、世界に先駆け実現させたことだ。
 本展では300点以上の作品や資料に加え、彼から影響を受けた人々のインタビューを交えながらさまざまなコンラン像を浮かび上がらせる。
 開館時間は午前10時から午後6時(金曜日は午後8時まで)。入館は閉館30分前まで。休館日は月曜日(ただし、10月14日、11月4日、12月23日は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)、12月29日(日)~2025年1月1日(水)。
 入館料は一般1500円、高校・大学生1300円、中学生以下無料。
 問い合わせは℡03-3212ー2485。東京ステーションギャラリーの公式サイトは https://www.ejrcf.or.jp/gallery/



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