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「ほとけに随待するもの」展

 仏の傍らにいるものたちーー脇侍(きょうじ)や眷属(けんぞく)などをテーマにした特集展示「ほとけに随待するもの」を2025年4月23日(水)から8月31日(日)まで半蔵門ミュージアム(東京都千代田区一番町25)にて開催される。
 脇侍は主尊の左右に随侍し、主尊を取り巻いているのが眷属(仲間・部下)で、彼らは主尊の特質を分け持ち、主尊を助ける存在だ。主尊を守護したり褒めたたえたり、信者に福を与える役目も担っている。
 観音が衆生を導くため33の姿に変化した応現身(おうげんしん)として、いずれも福島県会津の寺に伝来した、当館の梵王身像(法用寺旧蔵)と、早稲田大学會津八一記念博物館所蔵(如法寺旧蔵)の6躯を紹介する。
 応現身の像はしばしば観音像をとりまくように安置されるほか、観音像の光背に取り付けられることもある。

 三十三応現身立像 梵王身 室町時代 明徳5(1394)年頃
   三十三応現身立像 長者女身 南北朝時代 至徳元(1384)年 早稲田大学會津八一記念博物館(森靖コレクション) [福島県西会津町・如法寺旧蔵] 撮影・佐々木香輔
  三十三応現身立像 比丘身 南北朝時代 至徳元(1384)年 早稲田大学會津八一記念博物館(森靖コレクション) [福島県西会津町・如法寺旧蔵] 撮影・佐々木香輔
三十三応現身立像 毘沙門天身 南北朝時代 至徳元(1384)年 早稲田大学會津八一記念博物館(森靖コレクション) [福島県西会津町・如法寺旧蔵] 撮影・佐々木香輔


 そのほかにも脇侍や眷属が描かれた例として准胝観音像(じゅんでいかんのんぞう)や俱利伽羅不動明王像(くりからふどうみょうおうぞう)、弁才天十五童子像(べんざいてんじゅうごどうじぞう)や青面金剛像(しょうめんこんごうぞう)などを展示する。

 准胝観音菩薩像 室町時代 14~15世紀
 倶利伽羅不動明王像 鎌倉時代 13~14世紀
弁才天十五童子像 江戸時代 18世紀



 初公開の仏涅槃図(ぶつねはんず)は、釈尊の死を目の当たりにした菩薩・弟子・守護神・在家信者の心情が、動作や表情により細やかに表現されている作品だ。ここには動物も数多く描かれ、釈尊の死を悲しんでいる。

仏涅槃図 江戸時代 18~19世紀 



 開館時間は午前10時から午後5時半(入館は午後5時まで)。休館日は毎週月・火曜日。入場料無料。
 問い合わせは℡03-3263-1752。半蔵門ミュージアムの公式サイトは https://www.hanzomonmuseum.jp/

半蔵門ミュージアム外観


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