葉っぱ切り絵アーティスト
葉っぱ切り絵アーティストのリトさん。自らの特性を逆手にとって創造力を発揮。数々の優しい世界観あふれる作品を世に送り出してきたリトさんの新作は初のストーリー絵本『まねっこカメレオン』。
葉っぱのカメレオンくんがくりひろげる小さなぼうけんものがたり。講談社より2023年8月2日(水)全国発売の予定。本体価格1400円。
絵本の主人公となった「カメレオンくん」は、リトさんのこれまでの作品に何度も登場してきたキャラクター。
出会う相手に興味津々で、すぐにまねっこしてしまうカメレオンくんのストーリーをつなげて一冊にまとめたのがこの新刊だ。通常は色で擬態するカメレオンだが、切り絵は色が変えられないので、模様でまねっこするのがリトさんのアイディアだ。
『まねっこカメレオン』刊行記念の「リト@葉っぱ切り絵展 ボールペンから始まった小さな冒険」が7月26日(水)から8月8日(火)まで丸善丸の内本店4Fギャラリーで開催される。入場無料。
時間は午前9時から午後9時まで。ただし最終日は午後3時閉場。
ボールペンによる細密画から試行錯誤を経て、葉っぱ切り絵に出会い、『まねっこカメレオン』にたどり着くまでの道のりを、数々の作品とともに紹介される。初日にはリトさんが書籍購入者にサインをする予定だ。
丸善では全国発売に先駆けて新刊が7月26日より購入出来る。
リトさんは1986年、神奈川県生まれ。大学卒業後にフードサービス会社で働くが毎日何かしら小さなミスを重ねてしまい転職。しかし、その後も同じことの繰り返し。病院で診断を受けるとADHDとの診断が下った。ADHDは「注意欠如・多動症」といわれる発達障害の一種。
やっと理由がわかったリトさん。生きる道を模索している時、出会ったのがアート。何とか仕事にしようと思ったという。そんなある日、海外の人が葉っぱを使った切り絵をしていることを知る。リトさんはひらめいて、すぐに葉っぱを拾ってきて自分でも切り絵を始めてみたのだ。
会社員時代は弱みだったひとつのことに没頭して周りが見えなくなる発達障害による「過集中」の特性。これを強みとして生かして、小さなな葉っぱに緻密な世界を表現し始めた。
初めての作品集『いつでも君のそばにいる 小さなちいさな優しい世界』(講談社・本体価格1300円)が発売されるやいなや大きな反響を生む。メディアでも取り上げられて一躍人気アーティストの仲間入りを果たした。