キャロル・キング映画を観た
2024年3月30日(土)、映画「キャロル・キング ホーム・アゲイン ライヴ・フロム・セントラル・パーク 1973」を新文芸坐(東京・池袋)で観た。同年5月26日の野外ライブで10万人集まった。
キャロル・キングのことはもちろん知っていた・・・つもりだった。『つづれおり(Tapestry)』は昔から持っていた。
そして、ビートルズの面々が若い頃からキャロルの「Take good care of my baby」や「Chains」などをレパートリーにしていたことも知っていた。
しかし、この映画を通してキャロルのことが身近に感じられるようになった。本当に魅力的な人だ。見た目だけでなく内面の美しさが滲み出ているような人だと思った。だからこそああいう深みのある歌詞を書けるのだろう。
さて、キャロルはジェリー・ゴフィンとのコンビで多くのヒット曲を書いてきた。だが、自分自身で表に出て歌うことはなかった。
身近な感覚でシンプルに作られた『つづれおり』が大ヒット、2500万枚売り上げたという。その後数作はその路線が続いた。
ジェリーと別れて「人生をやり直そう」と生まれ故郷のニューヨークからロスに移り住んだ後、このコンサートの話が出たという。キャロルにとってはまさに「ホームアゲイン」なライブだった。
時を同じくして野心的なアルバム『ファンタジー』も制作された。このコンサートは第一部がキャロルのピアノの弾き語りで『つづれおり』の世界観中心に、第二部がバンド演奏でのステージだった。
ライブの幕開けは「ビューティフル」。
「ありったけの愛情を世界に届けなきゃ」と歌われる。
続きは「なつかしきカナン」で、「時々どこかに生きたくなるの」そして「約束の地」カナンのことがつづられている作品。
そして『つづれおり』から「ウェイ・オーヴァー・ヨーダ―」。その次がアップテンポなピアノが楽し気な「スマックウォーター・ジャック」。
ニューヨークとニューヨーカーたちへの「お返し」だとして「ホーム・アゲイン」をキャロルは熱唱した。
「スウィート・シーズンズ」が続けて演奏された。
「心にも「快い季節」があると思う 考えるとわくわくするけど たやすく過ぎてしまうものなの」と歌われる。
ここで『つづれおり』からの大ヒット「イッツ・トゥー・レイト」。
ここからが第二部だ。サックスのトム・スコットなどバンドメンバ―の紹介があった。最初の曲は「ファンタジー・ビギニング」。
「愛」という作品が続く。「すべての人に父親がいて母親がいる。それなのにどうして私たちは人生をこんなにも複雑にしてしまうのだろうか」。「どうしてお互い兄弟であり姉妹であるのに」「もう一度考えて」。
「愛の日々をもう一度」はこう歌われるー「早くあなたに会いたい 毎日祈っているの あなたが早く帰ってきますように」。
「ヘイウッド」「ユー・ライト・アップ・マイ・ライフ」「コラソン」と続く。次の「ビリーヴ・イン・ヒューマニティ」では「私間違っているかもしれないけれど 信じたいの 人間性を」と。
今に通ずるような歌詞が聞かれる。
「ファンタジー・エンド」が歌われた。
そしてキャロルは「みんながよく知っている人だけど、その人に捧げたいの。ジェイムス・テイラーは私の人生の恩人なんです」と話してから「君の友だち」を切々と歌い上げた。
ジェイムスは来月、日本でコンサートを開く。そこで私たちはこの曲を聴くことが出来るだろうか。歌ってほしい。