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ダンジョンが怖くて最初の町に居座っていた私を連れ出してくれたのは友達だった。

物心ついた頃には家にTVゲームがあった。

幼い頃は親がやっているのを隣で見ていただけだったが、小学生に入る頃には自分もコントローラーを使って遊ぶようになっていた。

とは言っても、
その頃クリアできたゲームと言えば
人生ゲームくらいで、

アクションゲームやシューティングゲームはすぐに敵にあたるし、

エキサイトバイクというレースゲームも1位になれないから、自分でコースを作る方を楽しんでいたり。


そして、親がやっていたRPGにも惹かれ、
自分もプレイしようとしたのだが、


私は最初の町にずっといた。

なぜなら、
ダンジョンに入るのが怖かったから。

 

今でも記憶にあるのは、ドラゴンクエストⅢ。

勇者(主人公)は町にあるルイーダの酒場で仲間を迎えいれ、旅を始める。

その仲間は自分で登録することができるのだが、

私はひたすらそこで女の子キャラを作り、
登録所の方に、「これ以上は登録できません」
と言われてしまった。
(Wikiによるとファミコン版は11名まで登録できるらしい)

気を取り直して

一緒に旅に出る仲間を3人選び
さぁ、冒険の始まりだ!

・・・となるはずだったのだが、

私はダンジョン内での全滅を恐れ、

ちょっと町の外にでて、
周りをぐるぐる。

スライムと大がらすを相手に数回戦って、

また最初の町に帰ることを楽しんで(?)いた。





小さい頃から夜や暗闇、お化けは苦手。
とにかく、怖がりだった私。



私にとってダンジョンは

   暗い画面 × 怖いBGM × モンスター

という、三拍子揃った世界。


入ったら、もう、戻れない。


当時の私は何故かそう思い込み
頑なにダンジョンを拒否。
最初の町に居座り続けていた。



そんな私が、初めてRPGをクリアできたのは、
忘れもしない 中学1年生の時。



中学入学後に出会った友達のおかげだった。


そのゲームとは
『FINAL FANTASY  Ⅴ』


『私、ファリスが好きなの!!』と
力説していた彼女は

私の家にもゲームカセットがあるが
プレイできていないことを話すと、

『一緒にやろう!』と申し出てくれた。


そうして、
彼女は攻略本を携え
私の家にやってきて、

私がコントローラーを握り、
彼女が横で見守る中、
旅は始まったのだった。



プロローグの隕石が落ちてくるシーンからその迫力に驚きながらも

突然の敵の襲来も
彼女がいてくれたおかげで
落ち着いて戦えた。

次々に仲間になる魅力的なキャラクターたち、

ジョブチェンジで様々なクラス(戦士とか黒魔導士とか踊子とか)になれること、それに伴いキャラクターの衣装が変わるのも楽しかったし、

また、
植松伸夫さんのゲーム音楽が物語を盛り上げてくれてどんどんその世界に嵌っていった。
(BGMで特に好きなのはメインテーマと主人公バッツの故郷の曲♪)


そして、

いつの間にか
あんなに怖がっていたダンジョンも
一人でどんどん進めるようになっていき

ついに
私はFINAL FANTASY Vの世界を
悪の手から救えたのだった。


エンディングは友達と一緒に見ることができた。

最後、真っ暗になった画面。

主人公たちと、この先の旅をすることはない寂しさを感じながらも、胸いっぱいに広がる達成感。


笑顔で『おめでとう』と言ってくれた友達。

彼女がいてくれたおかげで
知ることができた世界だった。


それから、
私は、どの作品でも
最初の町を飛び出すことができるようになった。


少しづつ装備を整えて
レベルをあげて
仲間が、
サポートする人たちがいてくれれば、

どんなダンジョンも切り抜けられると知ったから。



そして、いろんなキャラクターたちが彩る世界。

笑って、泣いて、ドキドキして。

当時プレイしたゲームたちは
私の青春の1ページになっている。


                    Fin…?

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