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落語日記 同級生に囲まれて、素顔を垣間見せてくれた馬治師匠

FiveBucks RAKUGO 金原亭馬治独演会
5月29日 南流山 FiveBucksR
 
金原亭馬治「お見立て」
 
金原亭馬治「唐茄子屋政談(序)」
 
馬治師匠の中学と高校の同級生が経営しているバーで開催された独演会。
馬治師匠は、中高校一貫で在学当時は男子校であった千葉日本大学第一中学・高等学校の出身。この日は、その同級生の店が主催ということで、当時の同級生数人と恩師の先生二人も来られていた。
この会が切っ掛けで、十何年ぶりの再開を果たした同級生もいて、終演後の打上げでは、会場の一部が同級会と化し、皆さんで盛り上がっていた。中には、仙台からこの会のために駆け付けた同級生もいて、馬治師匠とマスターが良い切っ掛けを作ってくれたようだ。
私も少しお話しさせてもらった。バー経営、会社員、歯医者、警察官、市役所職員など、それぞれ進路で同級生たちの活躍を知り、馬治師匠も打上げでは楽しそうだった。「上西!」って本名で呼ばれている馬治師匠。落語家とは違った一面を見せる師匠は、新鮮な感じ。
同級生の皆さんたちも、旧友が落語家になったことを、どこか誇らし気に思っているように感じられた。私は中学高校とも男女共学。男子校の同級生たちが、おじさんになってから集まって、当時の思い出を肴に盛り上がっている。男子校っていうのも、何だかいいなあと思わせてくれた皆さん。打上げで、そんな同級生の皆さんたちの様子を拝見している他の観客も、心暖まる雰囲気だった。
そして、5月27日は馬治師匠の誕生日。お客さんからバースデーケーキの差し入れがあり、打上げも一層盛り上がった。
 
会場がバーの店内、店の端にテーブルを利用した即席の高座を作り、客席もすごく近い。そんな中で、恩師や同級生を前にしても、馬治師匠は普段通りの高座ぶり。もはや十八番と呼んでもいい二つの演目を熱演。恩師や昔の仲間を前に、真打となった今、得意の二席を披露した馬治師匠。その心境は、如何ばかりだっただろう。感慨深いものがあったに違いない。
この日は東京も流山も、気温30度を超す今年初の真夏日。そんな夏らしい気候のなか、二席目は初夏にぴったりな唐茄子屋政談。「とーなすやぁ、とーなすーぅ」と若旦那が聞かせる売り声で、狭い店内が炎天下の吉原田圃の風景へと変わっていった。

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