一生懸命だったあの頃へ
2008年、16年前の家族写真を少しレタッチして印刷してみた。
2008年は私は大学4年生。
なんだかぼんやりしていた写真が、より記憶に近づいた気がする。
多分、プリントしたのは初めてで、なんとなく撮ってハードディスクの中で冬眠していた写真がプリントになったことで、やっと芽吹いた感じがする。母が若い。
改めて、写真とは、記憶を呼び起こすための装置だと思う。
2008年頃に使っていたカメラはキャノンのコンデジだった。
私が高校生の頃に親が家用に買ったカメラで、買ったのが2003年で、2002年モデルだったと思う。
https://global.canon/ja/c-museum/product/dcc476.html
200万画素ですって。
今の2000万とか4000万画素とかの10分の1以下、端数分くらいの数字しかないよ。
確かに拡大してみると、すぐ四角い粒々が見えるよね、、、。
でも不思議だけど、全然遜色なく見られる。
それにしても、よく撮っていたなと思う。
オートでバシバシ撮って、フラッシュもバシャバシャ使って、写るんですの感じで撮りまくってた。
でもさすがCanonで、それできれいに撮れるんだよね。
家用に買ったはずのカメラだったけど、実質私しかほとんど撮ってなくて、沖縄に住みだした時も自分の物として持っていった。
高校生の頃は並行してお祖父ちゃんの遺品のミノルタの一眼レフでも撮っていた。絞りだの露出だのと生意気なことを覚えたのはこの時で、マニュアルを使いこなしてこそ一丁前だと思って一生懸命だった。
コダックのフィルムがすごく安く売っている時期で、確か10本セットで880円くらいのをよく学校帰りに買っていた。高校が京都の河原町近くだったもので、そういうのは恵まれてた。中古のカメラ屋をよく練り歩いていた。
isoが100だと日中屋外向き、400だと室内でもきれいに撮れて、800だと夜の街頭でも綺麗に撮れる、っていうのを、体験の積み重ねで習得してた。
現像も確か一本600円くらいだったっけ?もっと安かったような。400円くらいだったかも。
とにかくフィルムもプリントも安くて、どんどん撮ってじゃんじゃん焼こうって感じだった。
シャッターを切って、写ってるっていうのが、ただそれだけで楽しかった。
2010年頃の写真が一番ひどくて、RICOHのCX2というコンデジを使っていたんだけど、これはさすがRICOHのカメラで、絞りや露出やホワイトバランスなんかが自在に操れるカメラなのだけど、操作に慣れない私は一生懸命ダメな写真を量産しまくっていた。もちろんオートで撮れば綺麗に撮れるんだけど。一眼レフにカブれた私は常々マニュアルで撮影してた。バカ・・・。
その頃のホワイトバランスめちゃくちゃ露出の写真を、そっとレタッチしてまわっている。
写真はじゃんじゃん撮ろう。
上手く撮れてなくても、後からなんとかなる。
なんとかなる時代が来た。ありがたい。
実家の近くの駅とか、全く変わってないように思っていたけど、あんなところに売店なんかあったっけとか、なんか面白い。
なんで撮ろうと思ったんだろう。
子供の頃からカメラが好きで、思い出せる限り最初に手に入れたカメラは小学生の頃に買ってもらったおもちゃのカメラで、レンズが9個付いていて、一枚の写真が9分割になる写真だった。なんと9フレーム少しずつ違うコマの写真が写るんだったと思う。
私があんまりバシャバシャ撮るからフィルムが勿体無いと言ってフィルムを買ってもらえなくていつの間にか使わなくなった。
その次はデジカメで、当時デジタルカメラが出回り始めたくらいの1990年代、10万画素のデジカメを買ってもらって友達を撮ったりしていた。あの頃の写真は一枚たりとも残っていない。10万画素なんて、普通にパソコンの画面で見るだけでもなんかカクカクしてた気がする。
それでも、シャッターを押したら写る、しかも何枚でも撮れるっていうのが最高に楽しかった。
シャッターを押したら何かしらが写る、それが印刷されたり画像になったりするのが楽しい。結局のところ、写真の楽しさの原点はそこなんだろうなと思う。
昔の写真を見返すことで、もっとこんな写真があったらよかったのにと気づくことがある。それを踏まえて、今これから写真を撮っていく。