34.夕飯

「今日、夕飯どこかいこうか?」
 どこにしよう、なんてメールを送る。決断力の無さすぎる彼女は、いつも適当な返事。
「どこでもいいよ。美味しいところ」
 二人の味覚は比較的似ている。違うのは、僕の好きな茄子が彼女は大嫌いで、彼女の好きな胡瓜を僕が大嫌いなことくらい。
「どこにしようか?」
「じゃあ、お好み焼き」
 粉もんが好きすぎて大阪に住んでしまった彼女が宣う。
「良いよ。ほんとはイタリアン行こうと思ってたんだけど」
「じゃあイタリアン。ピザ食べたい」
「今日はたんたんの誕生日だしね。そうしようか」
 結局、イタリアンに行くことになった。
 折角の誕生日にお好み焼きを選ぶ男前な彼女が好きです。

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