「ごぶごぶ」
ふいに彼女が呟く。
「え? なに?」
よく聞こえなかったので聞き返すと彼女は笑う。
「ごぶごぶ。ゴブコンか」
「なにそれ」
「このゲームの略」
指を指した先にはパソコンがある。おそらく、ネトゲ内イベントの話だろう。
「ちょっと合コンぽい」
「ゴブリンの合コンか」
「ゴブリン系女子限定合コン」
彼女がけらけらと笑うので、思い浮かべてみる。出来れば行きたくはない気がした。
「それ、好き好んで行く人いるの?」
何とはなしに問いかけてみる。
「おるかもしれん。君とかな」
「行かないよ。ブス専違うよ」
「なんだと!? 何故うちと付き合った」
時折ひどく自虐的になる彼女がつらい。
了
もくじ
マガジン