朗読LIVE 101 雨の日に香を燻く(1)
茶香炉というものが流行ったことがあった。どのくらい流行ったと言えるものかは分からないが、ともかく、お茶の葉を炙って香りを楽しむ専用の炉があった。作りとして、アロマをたくものと変わりはない。お茶を載せたお皿を炙るというだけだ。燃料用の蝋燭は味気なかったが、それでも、部屋に炎があると言うのは、特別な感じだった。一人暮らしの部屋がお茶の香りでいっぱいになった。
しかし、基本がめんどくさがりの私は、じきに使わなくなった。それでも何か香りが欲しくなると、茶を焙じる。緑茶をフライパンに振り入れて、ガサガサと炒った。ほうじ茶として飲めるし、勿体無い感がなくて良い。
部屋が臭ったら、お茶を焙じなさいと祖母が言っていた。時々それを思い出して、特に臭っていなくても、来客の前にお茶を炒ってみたりする。
お香の類は、手に入るのはお手軽にお線香型になり、なんとなくお仏壇をイメージしてしまう。もちろん、ものによっては気に入るものもあるのだが、喉がイガイガしてきて、煙たいが先立ってしまう。
ハーブ系の香りも好きで、スパイス棚は満員なのに、つい買い足してしまう。でもなんとなく部屋中に香りを撒き散らすイメージじゃない。
近頃は、洗剤の類の香りがすごくきつい。しかも中々取れない。さあっと吹き抜けていくような身軽さも、結構大事なポイントかもしれない。
雨の日に香を燻く 薄田泣菫
朗読は、1分ごろからです。
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(タイトル、あめのひにこうをたく、でした。そうかなと思いつつ、わざわざ本文と違う漢字当ててるんだから違う読み方じゃ、とふと血迷ってしまいました。だって、たく、という読みは載ってなかったし〜〜)
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