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【イギリスひとり旅】 Vol.3 旅とポケモン
ロンドンからカンタベリーへ向かう電車に乗る。
かなり混んでいたので、窓際の二人席に座っていた男性に後ろから声をかける。
"Would you mind if I sit in here?“
さっきキングスクロス駅のベンチで盗み聞いたセリフをさっそく使ってみる。
快くいいよって言ってくれて、なんだか目がキラキラした方だなあと思う。5つくらい歳上に見えるその男性は、しばらくずっとスマホをいじっていたのだが、ちらっと目に入った画面に釘付けになった。ポケモンをやってる!!
携帯の上半分にはフシギダネの後ろ姿が映る
洞窟で野生のズバットに遭遇したところ。
携帯の画面下にはゲームボーイのボタンがあって、懐かしいカントー地方の雰囲気
思わず話しかけていた。
“Excuse me, are you playing Pokémon?”
またキラキラした瞳で嬉しそうに話してくれた。
GBエミュレータ(ゲームボーイのソフトをスマホで遊べるやつ)でファイアレッドをやっているらしい。その彼“Josh”は、今はロンドン近くでITの仕事をしていて、カンタベリーの大学に通っていたそう。これからカンタベリーに向かうと伝えると、穏やかな美しい街だよって
それから色々ポケモンの話をした。
ワニノコの画像を見せたら、Joshはヒコザルが最初のポケモンだって教えてくれて、エンテイが好きで映画も良かったとか、タケシの英名とか、
自分の英語の発音も褒めてくれて、
あと何話したかな
ひと駅分くらいの時間だったけど、子どもの頃から変わらない部分で繋がれたような気がして、とにかくとにかく嬉しかった。Discordを交換しようって言ってくれて、交換して笑顔で別れた。
Ashford International st.
“Please mind the gap between the train and platform.”
電車のアナウンスが響く
カンタベリーの街を歩きながら、ふと気づく。
自分のやりたかったことって全部ポケモンじゃないか…!1人で旅に出ることも、街歩きも、訪れたその街を思い浮かべてbgmみたいな音楽をつくってみたいことも、全て同じところで繋がってる。昔からずっと、今まで続いてる。
大聖堂を中心に広がる赤い石造りの街並み
建物の一つ一つの色合いやテクスチャーが美しくて愛おしい!RPGの「質量がある現実ver. 」なんだから、楽しくないわけがない!街路のひとつひとつ、玄関のレンガに乗った眠そうな猫さえ、何だか世界からのプレゼントのような気がする。
RPGをやったことがある人は特に共感するかもしれないが、ゲームをやっていた時間を思い出すと、自分がその世界に入り込んで生きていたような感じがする。時間が消費された感じはあまりなくて、ちゃんとそのゲームの世界に懐かしい思い出がある。(トレーナーが繰り出すポケモンのレベルまで今だに覚えてる友達もいる。すごい。)
“冒険”とか“旅”とかいう言葉の意味はたぶん、ポケモンから知ったんだと思う。
知らず知らずあの街に響いていた音楽が、伏流水のように流れて心を育ててくれていたように思う。
日本に帰ってからも、Joshがインスタ交換しよーってメッセージをくれて、自分がまだロンドンにいると思ってご飯に誘ってくれたり、ポケモンのしぜんこうえんのbgmの耳コピの投稿に反応してくれたり、離れてもまだ繋がっているのが凄く嬉しいし、出会えて心底嬉しい。
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