【イギリスひとり旅】 Vol.2 想像の外側を歩くこと
どうしてか、
一人旅というものに強い憧れをもっていた。
初めて訪れる街を自分の足で歩く。その街で出会った人と話して、感じて、自分の街とはどこか違うその街の日常に触れる。身に起こるすべては、まるっきり想像の外側である。別れ道は気の向いた方へ進み、ふと心惹かれた店に入ると、居合わせた人と“どこから来たの”って自然と会話が始まったりして、別れて、また新しい出会いや発見があって、そうこう練り歩いている内に、その街の地図がだんだん頭の中に描かれてゆく。その過程を楽しむ。
“場所を変える”ということの意味の大きさを、旅をする度に強く感じる。言葉や映像では想像しきれない細かくて夥しい全てが、セットになってその土地に宿っていて、その土地に行くことでしか感じられない世界がある。
食べ物ひとつをそこから切りとって家に持ってきても、その場所の気温や湿度、周囲の建物、街の音やさっき話していた言葉、旅という日常から切り離された状態での見え方や感受性、色んな感覚がセットになった味わいとはやはり違ってくるものと思う。
“自分の足で地球の大きさを確かめに行きたい”
旅立つ前の自分は、日本の外側の世界を知らなかった。
映像や写真で見ていても、心の底では本当に在ると信じていなかった。
旅をして初めて、“外国”を見つけたのである!
しかし戻ってくれば、
もう国名は大して意味を成さず、
ただ土地が違うだけで
そこに一人ひとりが生きている
道のりで会った人たちが、あの場所で今も笑ったり泣いたりして生きているのだという意識が、想像が、今でもなんだか力をくれる気がする。
少しは鼻が効くようになったかな。色々あったから、人を見る瞳も洗練されたように思う。
始まりは、ただ“人“として見るしかない
初めて会ってから言葉を交わすまでの
一瞬が特に好きだ。
英語で話していようが日本語で話していようが、
あなたと話していることには変わらない。
なんか、そんな感じ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?