Outer Wilds -Echoes of the Eye- 感想&旅の記録【ネタバレ有】
Outer Wilds -Echoes of the Eye-をクリアしました。
恐ろしいほど美しくまとまっている無印のストーリーに対して、どのように内容を追加するのかやストーリーの調合性はとれるのか…などを考えていましたが、そんな悩みは杞憂だと言わんばかりのストーリー展開を見せつけられて頭がおかしくなるかと思いました。製作者達はマジの天才………
ということで今回の記事はクリア後の感想やら謎を解くまでに右往左往した道程やらについて書いていこうと思います。
ガッツリネタバレになるのでクリアしていない人はクリアしてから帰ってくるように!!!!!
それでは書いていきます。以下ネタバレ前のワンクッション画像
プレイ済じゃない人は帰ったな?じゃあここからはガッツリネタバレトークをしていきます。僕は本気です。
さりげない追加点から始まる壮大なスケールの物語
このゲームにおけるDLCがどうやって追加されるのか、正直全然予想が付かなかった。だって無印の時点で宇宙が美しくまとまり過ぎてて何かを足す余地なんてなくない…?と思ってたから…。
しかし蓋を開けてみれば全く問題ないどころかDLCのストーリーが本編に加わることでより味わい深いストーリーへと変化していて最高だな…と思いました。Mobius Digital最高!天才集団か?
プレイヤーが自発的に探そうとしなければDLCに辿り着けないというのは無印から続いている「プレイヤーの好奇心によってゲームが進む」というシステムを踏襲していて良かった。
そもそも一番最初に認識できる追加されたものが「観測所の展示」ってところもいい。やっぱりこのゲームの始まりは観測所からじゃないとな!
観測所で展示を見て、新たに追加された建物と衛星の情報を知り、建物を見に行って、そのあと人工衛星に向かって、横の数字の意味に気が付いて、太陽を覆う「なにか」に向かう…というところまではほぼすべてのプレイヤーが同じ経験をしたんじゃないかな…。今までずっと目にして来た太陽が覆い隠されていくの、未知へワクワクと恐怖心がごちゃ混ぜになって最高の感情だった。
太陽を覆い隠した何者かに突っ込んだとき、明らかに未知のテクノロジーが出てきてウワ~~~~~~~~~~~!!!!となった。やはり私の予想は間違っていなかった…。(以下参照)
言語もわからないの、本格的に未知との遭遇って感じで良かった。
中に入る方法を試行錯誤したら光に反応することが分かったので模様を合わせて施設の中へ…
入ってびっくり、自然環境が美しいコロニーが存在していた。ここでもうテンションがブチ上がっちゃったよ…。そのあとのイカダに乗った時の曲もまた最高で序盤なのに盛り上がりが最高潮に達してしまった。
ここからはプレイヤーごとの探索フェーズに入る。
本編ほど情報が点在しているタイプの謎解きではなく、ある程度リニア型の謎解きなので細かく見れば人によって手順は違うかもしれないけどマクロな視点でプレイの流れを見れば大体どの人も一緒になるのかな…と思ったりした。無印のような「人によって全く違う体験が待っている!」というわけではなかったのでちょっと残念。まあ十分面白いんですけど…
せっかくなので自分がプレイしていて印象に残った部分を殴り書きでつづっていこうと思う。このプレイ体験を忘れる前に残しておかねば…
プレイ中の雑記及び感想
誰だお前!!!!
これはプレイ中に鹿みたいな種族を始めて認識したときのスクショ
第一印象は不気味~~~って気持ちだった。実際かなり不気味だけど、この宇宙の種族は全体的に不気味だからな…と思ったりした。
これは始めて観たスライドリール
直前のギラついた目つきとうって変わってつぶらな瞳すぎる。初めて見たとき爆笑してしまったし、今でも笑ってしまう。この顔をスマホの背景にしたい。
宇宙の眼、めちゃくちゃ憎まれてるじゃん!となった時のスクショ
前のスライドリールで建物が燃やされていたのは分かったけどこんなに近くにあるとは思わなかった。
あ!ここ進研ゼミで見たところだ!となった場所
DLCトレーラーを舐め回すように見ていたのでここに辿り着けたとき感動してしまった。
故郷を完全に犠牲(資源)にして宇宙の眼を探しに来たのに、肝心の宇宙の眼がヤバすぎる存在だと気が付いてみんながホームシックになってる時のスライド
見てて辛いものがある。
今このスクショを見て気が付いたけど手前の椅子に座ってるの囚人くんじゃん!角折れてるし…。
労災直前のスクショ
おそらく数千年単位(ノマイがこの宇宙に来る前から)で無事に水が循環してたのに、なんで今になってダムが壊れるんだ…?と思ったけど、太陽が爆発することを認識したコロニーが自動操縦で爆発範囲から逃げようとしていたので、その影響が何かしらあるのかな…と思ったりした。
間違いなく意図していたことではないよな…だって10人ぐらいの遺物の火が消えてるわけだし…
夢の世界に入れた時のスクショ
無印の頃から存在する「うとうとする」というコマンドをここで生かしてくるの、ちょっと美しすぎる
あれが彼らの故郷か…と思いながら探索していた。火を消して追いかけてくる鹿角種族くんほんと怖かった。最初捕まった時かなりデカい悲鳴が出ちゃったし…。
ここの暖炉に入るまでが結構悩みどころだった。
どうやっても見つかるし、どうしたらいいんだろう…と一時間ほど悩んだ後に「こいつらが全員消えてくれればぁ…」と独り言を呟いた後に「ん?!…あるぞ、こいつらが全員消えるタイミング…!!!」となった。漫画のキャラみたいなことをしている。
謎解きがバッチリハマるとすごい気持ちいいよね…。
夢世界のバグ技を使って先に進む事が出来たりするのがかなり楽しかった
遺物の適用範囲から出るとオブジェクトが丸見えになったり、ローディング中にイカダから落ちると裏世界に入れたり…あれだけ神秘的な見た目の世界でデジタル的なバグ技が使えるミスマッチ感がとても良かった。
これはこのDLCで一番苦戦した場所 多分4時間ぐらい悩んだ
死んだ状態で夢に入れば目覚ましで起きないということまでは分かっていたものの、死んだ状態で夢の中に入る方法が分からなくてかなりの時間をここで使った。
太陽の爆発で焼け死ねばいいのか…?それとも酸素を消費しまくって夢の中で酸欠になればいいのか…?と思いながらいろいろ試行錯誤していた。
太陽の爆発からコロニー自体が逃げてしまうので何処かに移動を止めるスイッチがあるのかな…と思いながらコロニーを隅々まで散策したり、ジェットパックの燃料を空っぽにして、水の中で酸素を消費しまくった後に沈められている焚火で寝たりしたものの、結局全部間違いで「もう今日は無理だな!」と思って布団に入っていろいろ考えているうちに「そういえば範囲内で死んだ鹿角族が夢の中に生まれてるスライドあったな…」と思いだしたので飛び起きて焚火の上で焼かれ死んだところ、夢の中に行くことができたので喜びのあまり深夜にもかかわらず大声で「よっしゃぁ!!!!!」と言ってしまった。
擬態型かッ!!!?
友好型かァ~~~。
DLCのMVPである囚人くん
宇宙の眼の恐ろしさを知った鹿角族たちが全員で総力を挙げて宇宙の眼の信号を遮断して発見を防ぐことで、予知した宇宙の崩壊を防ぎつつ自分たちのような第二の犠牲者たちを出さないようにしていたが、それでは未来へ問題を先延ばしにしているだけで、宇宙が滅びる未来を変えることはできないと考えた囚人くんは、自らが一族の反逆者となることを知りながらも宇宙の眼の信号遮断装置を一時的に解除する。信号が発せられたのは一瞬だったものの、その一瞬の信号を受信し、なおかつその信号がいつまで存在するかわからないという判断から決死の覚悟でワープすることを即時決定して本編の惑星系にノマイがやって来ることができた。そして、ノマイが惑星系へ来たことにより、宇宙の眼発見計画が進み、遺物によりハーシアンの文明レベルが上がり、最終的には主人公が宇宙の眼を見つけることができた。
3つの種族が世代と時空を超えて協力することにより、宇宙の終わりと始まりを見届けることができたというストーリーがあまりにも美しすぎる。
スターウォーズのローグワンのような、作中に存在するある出来事と出来事の間の行間を補完するストーリーとして非常に上手く作られていて、真相がわかった時泣いてしまった。
今までのスライドリールにノマイとハーシアンの歴史が追加されたときマジでボロボロ泣いた
囚人くんも鹿角族の中では異端児ではあったけど、時代を超えて「宇宙の眼を発見する」という同じ志を持っているノマイとハーシアンに会うことができて良かったな………
今まで孤独だった囚人くんとイカダで一緒に旅立つ主人公。
もう君は一人じゃないんだよ…
ここまでクリアすると宇宙の眼で新しい宇宙の誕生を目撃するメンバーの中に囚人くんが登場するようになる。
この会話から分かる通り、宇宙の眼の信号を受け取ってくれる種族が表れるかはかなりの賭けだったみたいで、その少ない可能性に賭けて種族の掟を破り、収監されることを知りながらもその場に留まるのではなく前に進む決断をしたのがカッコよすぎる。
あ~~ダメダメ泣いてしまいます
時代を超えて宇宙の眼を共に探したメンバーが集まってて、この中の誰が欠けたとしても主人公が宇宙の眼にはたどり着けなかったということを考えると泣いてしまう。
皆の前に進もうとする意志と好奇心が美しすぎる。
エンディング後の新しい宇宙の形も変わる。
鹿角族みたいな種族も追加されてるし、湖や川、丘も追加されてる。
宇宙の眼に到達するまでに積んだ経験が反映されたりするのかな…などと思ったりした。
総評
マジで最高でした。
あの宇宙をもう一度探索することができて最高に嬉しかった。
不満点としては謎解きが割とリニアだったのと、暗闇で隠れるパートがあまりにも怖すぎることぐらいかな…
でもそんな不満点が一切気にならないぐらいに素晴らしいゲーム体験でした。
システム的にスゲ~~~って思ったのは、本編から追加された操作がほとんど存在しないこと。うとうとすることで入れる夢の世界もそうだし、今まではRTAぐらいでしか見なかった焚火で焼かれ死ぬという行動すらもゲームをクリアするのに必要となるのが面白かった。
あと夢の中での謎の解法が全体的に面白かった。特にすごいな…と感じたのが遺物を手放す操作。あんな暗くて周りが見えない中で光源を手放すなんて絶対嫌だ…というプレイヤーの思考を逆手にとったギミックが分かった時は「やられた~~~~~~!!!」となった。
ストーリー的な面で言うと、宇宙の眼の信号の謎という題材に対して、ノマイより前に宇宙の眼を発見していた種族を追加して破綻なくストーリーをまとめられたのも素晴らしいし、その種族が表れたことによりより一層宇宙の眼を発見するという目的に深みが増したのも良かった。私はノマイ全員と囚人くんの願いを背負ってるんだ………。
鹿角族は宇宙の眼の真相を知った時に心が折れてしまい、穏やかに停滞することを選んだけど、ノマイ達は好奇心を抑えずに太陽を爆破させてまでして宇宙の眼を探すことを選んだのが二つの種族の対比になってて良いな…と思った。ノマイ達は宇宙の眼が破滅をもたらすかどうかは分かっていなかったはずだけど、結果的にその意思をハーシアンである主人公が受け継いで、宇宙の眼へ辿り着けて新たな宇宙が誕生するきっかけとなった。
三種族の誰が欠けたとしても、宇宙の始まりは目撃できなかった。
このDLCは、outer wildsの世界に新たな深みを持たせる最高の作品だった。
Outer Wilds Venturesに幸あれ!