年間マイベスト音源@2023
ルール
2023年内に発表されたまとまった音源(EP / アルバム)に絞って記述
筆者の好みから、ラインナップは国内アーティストに限定
並びはリリース順
コメントは適当
『ベスト』だが順位は決めていない
年内は加筆予定
DJ Q & tofubeats - A440
イギリスのDJ / プロデューサーのDJ QとtofubeatsのコラボEP。
UKガラージの大御所プロデューサーと共作しているのもあり、全体的にノれるクラブ系のアルバムとなっている。マネージャー間の伝達ミスでラッパーは日本人のみ。次があれば両国のアーティストのコラボも実現してほしい。
Peterparker69 - deadpool
Y ohtrixpointneverとjeterからなる新進気鋭のオルタナ・ポップスユニット。
"Flight to Mumbai"の衝撃は忘れられない。アルバム全体でPeterparker69の世界観を味わえる。
reina - You Were Wrong
reinaはクリエイティブ・コレクティブ/レーベル〈w.a.u〉に所属。
本アルバムでは、様々な時代・地域のR&Bエッセンスを感じることができるオードブル的なアルバムとなっている。個人的には、夜中にゆったりと聴くのが楽しい作品だ。
JUMADIBA - nobori - 上り
今年の売れっ子若手の一人・JUMADIBAの作品。
JUMADIBAの独特なアジア的表現を真正面から味わえる。
AsianやAssajiのビートセンスもとてつもない。
18scott - SCHOOLBOY
18scottの力強くも、どこか優しさのあるラップが染みる作品。
客演アーティストとの相性もばっちり。冬に聴きたくなる。
また、このアルバムをきっかけにCDSのBIMとの意外な関係性も見えてくる。
PAS TASTA - GOOD POP
PAS TASTは、ウ山あまね、Kabanagu、hirihiri、phritz、quoree、yuigotの6人からなる音楽プロデューサー/シンガーソングライター集団。
本アルバムではそれぞれのプロダクションの特徴を色濃く出しながら、J-POPを表現している。客演アーティストも絶妙なチョイス。
梅田サイファー - RAPNAVIO
バトルシーンにとどまらずHIPHOPシーン全体をその多彩なスキルで震撼させた梅田サイファーのメジャーデビュー・アルバム。
ふぁんくやOSCAの脱退による影響は計り知れないが、それでもスキルフルなアルバムとなっている。大阪味の強いポップスセンスも癖になる。
Kvi Baba - Jesus Loves You
新進気鋭のアーティスト、Kvi Babaのメジャー1stアルバム。
これまでの作品同様、全曲のプロデュースをBACHLOGICが手がけている。
Kvi Babaが自身の内面的な理解へと至ったことを表現した作品。
VaVa - Love Less
前作アルバム・VVARAPを経たVaVaの新境地。
どこか悲しいけどノれる。楽しいけど愛に溢れている。
VaVaの優しさの表現が染みる作品。
SIRUP - BLUE BLUR
R&Bシーンの最前線に立つSIRUPのEP。
ゆったりとしたグルーヴ感はそのままに、大御所プロデューサーのChaki ZuluやKM、若手最前線のSkaai、uinなどを客演に呼び、前向きな絶望感を歌う文字通りブルーな作品となっている。
DJ WILDPARTY - COLLAB
DJ WILDPARTYの可愛くも電子音たっぷりのアルバム。
共作アーティストも豪華で、クラブで聴きたくなる曲ばかり。
アートワークも可愛くてお気に入り。
パソコン音楽クラブ - FINE LINE
西山と柴田からなるDTMユニット / パソコン音楽クラブによるアルバム。
テーマは"宇宙人のいる生活"。
アルバムを通しで聴くと宇宙人との交流劇が見えてくる不思議な作品。まるで映画鑑賞後のような満足感。ポップス感も非常に好みだった。
藤原さくら - AIRPORT
藤原さくらの4thアルバム。
HIPHOP的な作風の曲が多く、かといって重すぎず全体を通して爽やかな世界観となっている。大滝詠一の『君は天然色』のカバーや様々なトラックメイカーとの共作が特徴的な作品。
cero - e o
ceroの5年ぶりのオリジナルアルバムにして話題作。
サウンドエフェクトの使い方も独特、ドラムパターンも飽きないほど多彩で退廃的な雰囲気なのに明るい。都市の擬曲化。オンリーワン。
MARIA - True Color
産休を経たMARIAの意欲作。
MARIAの持つ力強いラップスキルと寄り添うような優しい歌声は健在。
それでいて、こちらの背中を押してくれるような曲構成となっている。
JJJ - MAKTUB
前作から6年ぶりの3rdアルバム。
JJJの私生活の変化、内面がスキルフルなラップに伴って表現されている。
その表現力は、今年を代表する名盤と言っても過言ではない領域に達している。個人的に一番聴いたアルバムだった。
NORIKIYO - 犯行声明
営利目的で大麻を栽培・販売したとして逮捕されたNORIKIYO。
彼の逮捕に対する是非は置いておくとして。
NORIKIYOからのメッセージ、皮肉に満ちたユーモアや怒りが強く作品に練り込まれている。エネルギッシュで考えさせられるアルバムだ。
Pitch Odd Mansion - THE MANSION
愛知県名古屋を拠点にする多種多様なクリエイターを擁するPitch Odd Mansion〈p.o.m.〉のファーストアルバム。
Sweet Williamが全曲プロデュース。JAZZYなビートに様々なアーティストがセッション的に参加している。
佐藤千亜紀 - BUTTERFLY EFFECT
プロデューサーに宇多田ヒカルや客演アーティストに幾田りらを呼ぶなど、パワーのある布陣。ブラックミュージック的な表現とポップス感のバランスが良いアルバムとなっている。
cyber milk ちゃん - ଘ 電脳牛乳 ໒꒱
本作は、さよひめぼう、バイレファンキかけ子、aymk、CVN、Eulalie、KOTONOHOUSE、NGA、pìccoloが参加し、 cyber milkちゃんの世界観を自由な解釈のもと再構築したジャンルレスな作品。
しなやかさの中に毒気を隠し持ち、浮遊感と相反する確かな強度を併せ持つcyber milkちゃんの更なる飛躍を想起させる一枚となった。
CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN - tradition
チョコパコチョコキンキン。
あらゆる民間信仰音楽のエッセンスと電子音楽の融合、フォークロアやユーモアに満ちた挑戦的な作品。
散らかっているようでいて、作品としての統一感が高い。
(sic)boy - HOLLOW
ハードロック・オルタナの特徴が全面に出たアルバム。
KMとのタッグはもはや伝統。
ポップ感も表現しながら、(sic)boyの世界観を無駄なく聴ける。
客演アーティストとの相性もいい。
ピーナッツくん - Air Drop Boy
Vtuberとしても活動するピーナッツくんがライブの為にと作ったアルバム。全体的にBPMが早く、ダンサンブルで疾走感あふれる作品となっている。
LIL SOFT TENNIS - i have a wing
HEAVENに所属するLIL SOFT TENNISによるオルタナ・ポップス感あふれるアルバム。
ラップスタァ誕生にて敗退したが、今年のラップスタァの一人と言っても遜色のない作品。
客演アーティストのチョイスも抜群で、親和性の高さから彼の世界観を堪能できる。
SPARTA - Massive
待ちに待ったSPARTAのニューEP。
SPARTAの優しさと包容力のある人生解釈に満ちた作品だと思う。
客演参加したKID FRESINOのバースは今年一だ。
人生観的な作品であるのも関わらず、ビートセンスの良さで何週も聴ける。
Yo-Sea - Sea of Love
Yo-Sea念願のアルバム。
名前の通り海がテーマとなった作品。
Yo-Seaの温かな歌声、ポップス的でありながら、どこか南国の空気も伝わるビート選び…。統一感のとれた作風で何週も聴きたくなる今年の名盤の一つ。月夜のビーチで聴きたい。
lilbesh ramko - 終末collection
正式名:lilbesh ramko(offline)新生nanachi.xp/MiAε錬成.+22%yunwii ramko(nw)によるアルバム。
終末をテーマにlilbesh ramkoが存分にその世界観を表現している。
アルバム最後のthe world ends (with) youは何故だか泣きたくなる。
TOWA TEI - TOUCH
電子音楽の大御所、TEI TOWAの『LP』の続編アルバム。
懐かしい音色と新鮮さに富んでいる。
大御所でありながら、YMO的系譜への探求をやめないハングリーな作品だと思った。
Skaai - WE'LL DIE THIS WAY
前作『BEANIE』を経た、Skaaiの現在地的を示すような作品。
客演に若手台頭枠であるBonberoを呼び、ビートは盟友uinだけに留まらず、Qunimune、Shin Sakiura、Iamdl、HYESUNGが参加。一年かけてさらに磨かれたラップスキルは見物。
KEIJU - Speed Tape
KandyTownの解散を経たKEIJUの作品。
前作から数年の時を経て、安定したクオリティを発揮。
客演ラッパーもシーンの中枢でスキルを振るっている人ばかり。
長瀬有花 - Launchvox
二次元・三次元その両軸で活躍するアーティスト、長瀬有花の新作。
パソコン音楽クラブ、mekakushe、笹川真生、いよわ、ウ山あまねと新進気鋭のアーティストを客演に招き、バーチャルアーティストとしての枠を超えた作品となっている。
chelmico - I just wanna dance with you- period
chelmicoの表現する可愛さや切なさが前面に出た曲。
単独ライブへの書きおろしやデビュー時のリメイク曲を収めておきながら、統一感のある作風は、そのスタイルのぶれなさか。友達10周年おめでとう。
OMSB - 喜哀
高い評価を得た前作『ALONE』から、一年経たずにリリースされたミニアルバム。本作でもOMSBのぶっといラップを堪能できる。
PAS TASTA - GOOD POP THE REMIXES
PAS TASTA - GOOD POPのREMIXアルバム。
リミキサーにTennyson、bo en、パソコン音楽クラブ、tamanaramen、フロクロ、Explorers of the Internet、six impalaらを招いた。
原曲の完成度の高さやリミキサー選びの勝利。混沌としているのに一つの世界観となっている。
田我流 - OLD ROOKIE EP.1
田我流が開催する野音ワンマンの名を冠したアルバム。
自身を"OLD ROOKIE"としてリセットし、再び自己と社会と対峙しようとする田我流の挑戦を感じさせる作品。
テークエム- Communication
前作でも高い評価を得た梅田サイファーのテークエムの2ndアルバム。
テークエムの繊細な内面の変化、描写は今年トップレベル。
TOSHIKI HAYASHI(%C) - MAHORO
TOSHIKI HAYASHI(%C)が多くのアーティストを招いた作品。
TOSHIKI HAYASHI(%C)特有のゆったりとしたビートを中心に進行していくアルバムで、basho、無雲、Takuma The Great、IKE、Takaya、Kanomaker、万寿、SKRYU、安藤つ良しをフィーチャーしたマイクリレー「Be a Good Neighbor」は圧巻。
Awich - THE UNION
HIPHOPシーンのクイーンとしての地位を得たと言っても過言ではないAwichのニューアルバム。シーンを震撼させた『RASEN in OKINAWA』や『BBB』などが収録されているが、新録された曲は内面的なものが多く、Awichのセンシティブな面に触れる作品となっている。ダントツ。
Jinmenusagi - DONG JING REN
ニコニコ動画でも活躍していたJinmenusagi。
そのラップスキルはニコラップ出身者であるのにも関わらず、シーンの中枢に食い込んでいる。そんな彼のユニークなリリック、ラップスキルを真正面か聴ける一作。
kamui - RAFRAGE
Ralphとのビーフを経たkamuiの作品。
全体として表現の完成度がすさまじく、内面的な作品なこともあり、どこか泣きたくなってしまう。今年を代表する名盤の一つだと思う。
IO - four
KandyTownの解散を経たIOの作品。
長らく期待されていたIOのアルバム。その上がったハードルを簡単に超えるようなアルバムとなっている。スモーキー。
kaneee - ICON
ラップスタァ誕生でも、そのひと際目立つポップスセンスで注目を浴び、ほとんどライブ経験がないなか、STUTSの武道館を沸かしたラッパー、念願のアルバム。
kaneeのジャンルレスな才能が遺憾なく発揮されており、ラップスタァ時に使用したビートで新曲も撮り下ろしている。
7 - 7
ラップスタァ誕生にフックアップされた7のアルバム。
Homunculu$・ZOT on the WAVEが全体を通してのプロデュースを担当。
7の独特なラップスタイルが進化、飛躍した作品で、彼女のリリック・世界観も素晴らしい
moreru - 呪詛告白初恋そして世界
狂気的ながらも作り込まれて洗練された世界観となっている。
ノイズ、ハード、そんな言葉だけでは足りない。言葉で表すのが勿体ないアルバムだ。
V.A.(Genick, Jacotanu, ピーナッツくん,
嚩ᴴᴬᴷᵁ, Sharda, That Fancy I,
MEZZ Nizikawa, Oblongar,
TORIENA NUU$HI, valknee, DJ Kuroneko, Harmful Logic, dyspony, Takaryu, nyamura) - THE RAVING SIMULATOR
〈SPRAYBOX〉主催のコンピレーションアルバム。
近未来のUKレイヴシーンをテーマに制作された本作では、日本のシーンの特色も絶妙に取り入れつつ、進化したレイヴのスタイルを提示している。
yuigot - Guidebook
PAS TASTAでも活躍するyuigotの作品。
彼独自の音作りは、晴れた日の公園を散歩したい気持ちにさせてくれる。
明るくもゆっくり音楽を聴きたい人にオススメしたい。
Watson - Soul Quake
ゲームチェンジャーであるwatsonのアルバム。
一貫した主張、今年のシーンを塗り替えたラップは意外とストレスフルに聴ける。客演アーティストも豪華で、みんなwatsonのスタイルに寄っているのが、彼の凄さ度合いを物語っている。
Campanella - Mi Yama
Campanellaの待ちに待ったニューアルバム。
スキルフルかつユニークでアシッドなビートの親和性は今年シーン随一。
Daichi Yamamoto、ACE COOLの客演参加曲『YAMAMOTO』は夢のコラボ。
CreativeDrugStore - Wisteria
結成11周年になるCDS念願のアルバム。
各々が個人活動で磨いたスキルが活きる今年の名盤の一つ。
BIM、in-d、VaVa、JUBEEのフロント4人だけに留まらず、ライブにてバックDJを務めるdooooやMVのディレクションを担当するheiyuu、彼らのサポートによって成立する作品となっている。
ワニとコウモリ - ワニとコウモリ
ワニとコウモリは、YACA IN DA HOUSEと高坂はしやんによるHipHopユニット。バーチャルシーンにバックボーンを持つ二人だが、その楽曲スタイルはオールディなBoomBap。あまりにも基本に忠実なスタイルから、インターネットBoomBapと名付けたくなるほど。
Die, No Ties, Fly - SEASONS
今年末、突如発表されたアルバム。
制作に2年以上の月日をかけていることから、作り込まれた音は随一。
客演アーティストも絶妙で、信頼のおける人たちばかり。
Moment Joon & Fisong - Only Built 4 Human Links
Moment JoonとFisongのコラボアルバム。
Moment Joonのコンシャスなラップはさることながら、Fisongのラップもスキルフルで聴き飽きない。年末に落とされたドデカイ爆弾。