「武器としての決断思考」と「インベストメント」~瀧本哲史さんに感謝
瀧本哲史さんの訃報を聞き、少し驚き、また、ここ数日は、いろいろなことを思い出していました。
同年代ですが、雲の上の方という感じで私は捉えておりました。
まさかという感じでした。
ご縁があって、京都大学での講演会で一度だけ、講演者としてご一緒したことがあります。
また、発明塾の学生さんの大半が京都大学の学生ということで、彼らが、瀧本さんの授業を受けた、こんな話だった、というようなことを、よく話してくれて、何となく(勝手に)身近な存在として感じていました。
ここでは、感謝の気持ちを込めて、発明塾参考図書として挙げている本で、瀧本さんに縁が深い本を、2つ紹介しておきます。
● 武器としての決断思考
この本は、出版されてすぐに塾生さんの一人が読み、「楠浦さんこれ読んでください、どう思いますか」ということで、購入して読んだ本です。
結論から言うと、発明塾でいつも話すことに近いことが書かれており、即「参考図書」採用ということになりました。
今日、少し読み直しました。
目次から、強調したいメッセージをいくつか拾っておきます。
① 正解ではなく、「いまの最善解」を導き出す
② 反論は、「深く考える」ために必要なもの
③ 漠然とした問題を、具体的に考える
④ 公開情報も、組み合わせ次第では価値が出る
⑤ 最後の最後は、主観で決める
①は、まさにいつも言っていることで、「今、手元にある情報で、考えられる限りの妥当な仮説」を立て、それを検証しながら、進めるのが発明塾式です。
②も、「頭の中に、異なる思考回路を持つ人を住まわせる」ということを、いつも話していますね。
③は、やや発明塾的な解釈になりますが、同じく発明塾の参考図書である、以下書籍の内容を簡潔に表現したものになります。
④は、特許情報分析、投資情報分析を駆使する発明塾式において、基本的な哲学だといえるでしょう。
⑤、これは説明不要ですね。自分がどうしたいのか、なしに、発明も投資も決断できません。
● インベストメント
セミナー開催などでたびたびお世話になっている、リンクスリサーチの山本さんの著書の一つです。
個人的には、投資に関する最高の参考書の一つだ、と考えています。
当然、発明塾の必須参考図書の一つです。
世界トップクラスの成績を残し続けている、常勝ファンドマネージャーの思考回路が、余すところなく(?)公開されています。
実は、この本を知った経緯の一つに、
「瀧本ゼミで、すごくレアな本をテキストとして使ってるらしい」
ということを聞き、その本は・・・(塾生さんがいろいろ調べてくれた)・・・ことがあります。
当時、その本を瀧本ゼミで使っていたかどうか、結局、真偽のほどはわからなかったのですが、やはりテキストとして使っておられたようです。以下、山本さんの記事に、そのことが書かれています。
脱線しました。
塾生さんに勧められて即購入し、読んでみると
「特許情報」
をフル活用している、ということがわかり、その後の
「発明塾投資部」
の活動に繋がりました。
発明塾の歴史において、重要な本の一つです。
特許情報を、
「IRヒアリング」
にもフル活用しているということで、私の
「特許情報を用いた技術マーケティング」(2008年)
の、マーケティング を 投資 に置き換えた感じだ、とすごく盛り上がりました。
(これは、僕の勝手な思い込みかもしれませんが・・・)
一度会ってお話を聞きたいね、と、塾生さんとはたびたび話していましたが、業界も全く違うため、なかなかご縁がありませんでした。
(なんせ、世界でTop1%に入るファンドマネージャーです)
その後、さらにいろいろなご縁があって、無事、著者の山本さんにお会いすることができ、現在の活動に至っています。
そのきっかけをいただいたのが、瀧本さん、ということになります。
とにかく、感謝しかありません。
感謝の気持ちを込めて、著書と、若干の思い出話を紹介させていただきました。
楠浦 拝