ビジネスモデルは「顧客の xxx に xxx を設置する」で考える~「消耗品Biz」から「ノベルティー」ビジネスまで
こんにちは。楠浦です。
企業内「発明塾」では、検討期間の
「前半1/3」
を過ぎたあたりで、
「ビジネスモデル」
を検討するのが通例です。
新規事業、新製品・サービスの企画立案の場合はもちろんですが、
「研究・開発テーマ」
の企画立案においても、ビジネスモデル(Bizモデル)を検討することがよくあります。
これは、
「知財戦略」
との兼ね合いで、
「どこを、研究・開発(そして、知財化)すべきか」
を明確にするためです。詳細は、以下に譲ります。
自社で知財化すべきだからといって、必ずしも自社で研究・開発する必要もないのですが、まぁ、多くの場合、自社である程度研究開発しないと、
「厚みのある知財権」
の取得は、難しいでしょう。
すこし脱線しました。以下、本題に入ります。
●「消耗品Biz」の基本は押さえたい~インクジェットプリンター、カミソリ、手術ロボット
いろいろなビジネスモデルがある(とされている)のですが、まず、押さえておきたいのが
「消耗品Biz」(消耗品ビジネス)
です。上記の講座では、
「インクジェットプリンター」
を例にとり
「ビジネスモデルに即した、知財の権利化」
を解説しています。
インクジェットプリンターの場合は、
「装置本体」
を
ある程度安価に販売し、
「カートリッジ」
を、それなりの価格で継続的に販売し、利益を得る、というビジネスモデルですね。
「カミソリモデル」(Razor-Blade Model)
とも呼ばれます。カミソリ(髭剃り)の柄を配布して、刃を買い替えてもらう、というビジネスモデルなので、同じです。
他に、例えば、過去にセミナーでたびたび取り上げている インテューイティブサージカル社の
「手術支援ロボット」
も、同じBizモデルです。1回の手術で、消耗品が
「数十万円」
になるそうですから、かなり強力なBizモデルですね。このあたりは、以下の動画講座でも、詳しく解説しています。
● 消耗品Bizの「考え方」を「拡張」する~オフィスに「お菓子の自販機」を置く
消耗品Bizの
「本質」
をどうとらえるか、によりますが
「スイッチングコストの高い”何か(店舗)”を、顧客の敷地内に設置してしまう」
と考えると、オフィスグリコなどの
「置き菓子」
サービスや、ドリンクの自販機が、ここに入ってきます。
インクジェットプリンタの
「本体」
と
「カートリッジ」
の関係が、
「販売機」
と
「お菓子/飲料」
で、成り立ちます。
これらは、知財的にも非常に面白い側面があり、以下の講座で取りあげ解説しています。ちなみに、オフィスグリコの仕組みについて、グリコから特許が出ています。
単に、強い特許(つぶされないとか、権利範囲が広いとか)という考え方でとどまらず、
「強いビジネスを、強固に支える特許」
というイメージを持っていただきたいと思い、提供している講座です。
上記で取りあげている
「コマツのKOMTRAX」
の特許も、今となっては
「消耗品Bizを、強固に支える特許群」
ですね。
こういうのが、発明塾的には、大好きです。
単に私が、コマツ出身だから、ということではありませんので、念のため。
Bizモデルも、それを支える特許群も、
「大変良くできている」
からです。熟読、分析をお勧めします。
(弊社でも、詳細に解説したセミナーを、過去、何度か行っています)
● 消耗品Bizを、さらに「拡大」して考える~アマゾンダッシュボタン、ノベルティー販売
消耗品Bizの本質を、さらに拡大して考え
「(できれば顧客の費用で)自社商品・サービスの継続的提供につながる何かを設置する」
と考えてみましょう。
学生向けの発明塾では、
「小難しい、ビジネスモデル論議」
に入る前に、まずは、上記程度のモデルを各種想定してもらうことにしています。複雑すぎるビジネスモデルは、実現がむずかしくなるからです。
過去、なかなかいいねという話になったものとして、
「Amazonダッシュボタン」
があります。
ダッシュボタンは、もう提供されていませんが、
「ハードと一体化」
「Alexa経由」
のように、Bizモデルが進化して発展的に消滅したととらえるのが、よいのでしょう。
もう一つ、おそらく
「どの業種でも、使える(使っている)」
古典的な手法として
「ノベルティーグッズ」
の販売があります。以下をご覧ください。
「シュウマイ弁当クッション」
要らないといえば要りませんが、欲しい人は欲しい。
欲しい人は、崎陽軒のファンで、これを見てまた、崎陽軒を買う。
(横浜近郊の方は、駅に崎陽軒の売店がありますからね・・・)
● まとめ~まだまだ開拓の余地がある「史上最強のBizモデル」
他にも、本質を、うまく
「拡大解釈」
すれば、開拓できていない方法を考え出せる可能性はあるでしょう。
「消耗品Bizの本質って何だろう」
「インクジェットプリンタのビジネスモデルの本質を考えてみよう」
のように、日頃からあれこれ考えてもらえれば、そして、
「自身の新事業の企画」
に盛り込んでもらえれば、ありがたいです。
楠浦 拝
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