楠浦と「発明塾」の過去発明紹介(7)~「ナノテクStart-Up」時代(その1)
ようやく、2004年まで来ました。以下経歴にある通り、2004年にナノテクStart-Upを立ち上げており、2005年から、CTO 兼 事業責任者をしておりました。その間、大型の資金調達2回を行っており、そのうちの1回については、僕自身で、A4で100ページ以上の目論見書を作成しています。
その
「100ページ以上の目論見書」
の根拠になったのは、主に
「特許情報分析」
と、それに基づくヒアリングです。関連資料として、以下2つを挙げておきます。
● 当時行った「特許情報分析」の概要
以下のオンライン講座で、詳細を紹介しております。流行りの言葉を借りると、IPランドスケープのはしり、という感じになるでしょうか。特許情報分析を駆使して市場ニーズを探り当て、事業計画立案から資金調達までを行いました。
● e発明塾「開発テーマ企画・立案における特許情報分析の活用」
これまで、あまり詳細に触れてきませんでしたが、一応
「CTO」
でしたので(笑)、数多くの発明を創出し、特許出願しております。
ここでは、おおよそどんな分野の、どんな発明に関わってきたか、だけを紹介し、次回以降、詳細紹介ということにさせてください。
一部は、以下でも触れています。
● 「ナノインプリント」技術とは?
色々な説明の仕方があります。
「ナノレベルのハンコ(型押し)技術です」
(イメージしやすい?)
「半導体リソグラフィー技術の一つです」
(何に使うの?という疑問を消せる)
「ナノレベルの複雑な構造物を、プレスで作れる技術です」
(技術系の人にハンコは失礼なので)
みたいな説明を、当時は行っていました。特に、投資家の方ですね。ナノインプリント、と言っても、100%
「何それ?」
になります。
正しくは、以下ご参照ください。かなり頑張って説明いただいております。
僕の理解では
「半導体プロセス」
「光学技術」
「プレス成型技術」
「樹脂成型技術」
「金型技術」
の融合領域だ、ということになっています。実際、僕の、この時代の発明は
「プレス機」
「超精密金型」
「半導体プロセス(エッチングとか)」
「光硬化性樹脂」
「熱可塑性樹脂」
「ナノ計測装置」
などの技術を含んでいます。例えば、以下のようなものです。
共同研究先との発明ですが、樹脂物性の方向性など、主要な部分でアイデアを出しています。この特許発明だったかどうかはっきり覚えていませんが、東工大の資料室に籠って、
「ある、特殊な半導体プロセス(ガス)に耐える、樹脂が満たすべき構造(骨格や側鎖)」
について、調べまくって仮説を出し、それを検証していく、というような、
「スーパー地道な研究」
の成果も含まれています。
(後日、詳しく取り上げます)
必要な要素技術を
「ほぼすべて」
自身/自社が中心になって開発しました。はっきり言って、疲れました(笑
● 「細胞培養」技術
上で挙げた関連資料では、
「光学デバイス」(LEDです)
にフォーカスして紹介していますが、実は、僕が前職で最も
「イケてる」
と確信した発明は、
「細胞培養」
に関する技術です。
例えば、以下のようなものです。
この事業は、ある化学系企業に売却されました。被引用を見ると、熾烈な開発競争の爪痕が・・・(笑
これも、詳しくは別途取りあげます。
● 番外編)「医療用ロボット」技術
実は、ここだけの話、僕が本来やる予定だったのは、これでした(笑
間違いなく小説が書ける
「紆余曲折」
があって、ナノインプリント 経由で 細胞培養 にたどり着きましたが・・・
今でいう
「Pivot」(ピヴォット)
でしょうか(違
どんなロボットをやるはずだったか、というと、例えば以下のようなものです。
上記は、ロボット業界では知らない人がいない(であろう)
「サイバーダイン」
のパワーアシストロボットに関する、基本特許の一つです。
「半導体」
「金型」
「樹脂」
「細胞培養」
「医療ロボット」
と、最終的に何でもありになっているのは
「機械屋」
だからでしょうか。
(ロボットも、樹脂も、金型も、細胞も、半導体プロセスも、機械工学科では教えていますから)
大学時代の勉強って、大事ですねぇ(笑
次回から、代表的な発明を取りあげ、裏話を交えつつ、各発明と技術の詳細を解説していきます!
楠浦 拝
P.S. ちなみに、大学時代の研究は、以下論文の内容です。いわゆる「破壊力学」に関する研究ですね。実験を行いつつ、コンピュータシミュレーションで数理モデルを導き出す、というようなことを3年やってました。金属材料、熱処理、破壊力学、低サイクル疲労、チタン合金、あたりがキーワードです。
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