ハスカップ果実のメタノール抽出物は、腸病原性大腸菌に対する抗運動性および抗バイオフィルム活性を有する。
Methanol extract of Lonicera caerulea var. emphyllocalyx fruit has anti-motility and anti-biofilm activity against enteropathogenic Escherichia coli.
Drug Discoveries & Therapeutics. 2019; 13(6):335-342.
Masaaki Minami1,*, Hiroshi Takase2, Mineo Nakamura3, Toshiaki Makino4
概要
食中毒は公衆衛生と福祉を脅かす世界的な問題となっている。腸管病原性大腸菌(EPEC)は、中等度から重度の下痢を引き起こす主要な病原体のひとつである。また、広域β-ラクタマーゼ(ESBL)を産生するEPEC株の増加により、この問題はさらに深まっている。ハスカップLonicera caerulea var. emphyllocalyx(LCE)の果実は、北海道などの北方温帯地域で伝統的な食品保存料や医薬品として使用されてきた。本研究では、LCE果実エキス(LCEE)のEPECに対する抗菌効果を検討した。LCEEの抗菌活性は,菌の増殖,タイムキルカーブ,ソフトアガー運動性,電子顕微鏡,96ウェルマイクロプレートバイオフィルムアッセイにより検討した.また,定量的リアルタイムPCR法により,バイオフィルム関連遺伝子(fliC,csgA,fimA)のmRNA発現を調べた.LCEEはEPECの増殖、タイムキルカーブ、拡散を抑制することがわかった。また、用量依存的にバイオフィルム形成を抑制した。透過型および走査型電子顕微鏡を用いた形態学的解析から、LCEEは鞭毛の機能を低下させ、運動性とバイオフィルム形成を低下させることが明らかになった。LCEE処理下では、3つのバイオフィルム関連遺伝子すべてのmRNA発現が低下した。LCEの果実の抽出物は、鞭毛の発達と機能を阻害した結果、EPECの運動性とバイオフィルム形成を阻害した。我々は、LCEEを治療法として提案する。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ddt/13/6/13_2019.01087/_pdf/-char/en
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