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片頭痛とは何か

※一番初めに大事なことをお伝えします。
インターネットで自分の症状を調べることは良いことですが、
それは自分の症状の1つの可能性にすぎません。
少しでもおかしいと感じた場合は病院に行き、
医師の診断を受けてください。

片頭痛の前に、まず頭痛とは何かから始めましょう。
頭痛は、頭部のいずれかの部分
(頭皮、首の上部、顔面、頭部の中を含む)
に生じる痛みのことです。

この頭痛の原因は、他の病気によるものか、否かでわかれます。
他の病気は、例えば、風邪やインフルエンザになったときに、
頭痛を感じたことはありませんか?
また、脳梗塞のような脳の病気でも頭痛を伴います。
このように他の病気による頭痛の場合は、
言ってしまえば、これら元の病気を治せば頭痛も治まります。

一方、他の病気が原因ではない頭痛は、
今回のテーマである片頭痛や、
群発頭痛緊張型頭痛などがあります。

では、この片頭痛の原因ですが、
残念ながら今のところ原因はわかっておりません。
(血管説,神経説および三叉神経血管説などがあり、
ここでは詳しい説明は省きます。)

どのような人に起こりやすいかというと、
他の人よりも神経系が敏感な人、
すなわち脳の神経細胞が刺激されやすく、
電気的な活動が生じやすい人
に起こります。

また、女性ホルモンである エストロゲンは、
片頭痛の引き金になると考えられています。
片頭痛が女性に多いのも頷けますね。
経口避妊薬や、 エストロゲン療法は、
片頭痛を悪化させることがあります。

他の原因としては、
・睡眠不足(不眠症を含む)
・天候の変化(特に気圧の変化)
・特定の食べもの、飲み物(赤ワインなど)
・空腹
(食事を抜いたときなど)
・感覚への過度の刺激
(チカチカする光や強い匂いなど)
・ストレス
があります。
食べ物が引き金となることも多いですが、
どの食べ物が原因かは個人差が大きく、
・熟成チーズ、大豆製品、ソラマメ、サラミ、魚の燻製または干物、一部のナッツなど、チラミンを含む食べもの
・ホットドッグやランチョンミートなど、硝酸を含む食べもの
・うま味調味料、ブイヨン、調味料、香辛料など、グルタミン酸ナトリウムを含む食べもの
・カフェイン(チョコレートに含まれるものを含む)
と、多岐にわたります。

症状としては、
脈打つような、また、ズキズキする痛みが頭の片側に起こりますが、
両側に起こることもあります。
痛みの程度は、何もできなくなるほど強い痛みが起こることも多いです。
身体活動、明るい光、大きな音、特定の匂いによって、
頭痛が悪化することがあります。

しばしば、片頭痛の前に予兆が生じることがあるのも、
特徴の1つでしょう。
・気分の変動
・食欲の減退
・吐き気
などがあります。

診断としては、
・医師による評価
・CTまたはMRI検査
があります。
市販の痛み止め薬を飲んでいると、
片頭痛が悪化する可能性があります。
おかしいなと思ったら速やかに受診されることをおすすめします。

治療としては、
片頭痛を完治させることはできませんが、
ある程度コントロールさせることは可能です。
・引き金となる要因の除去
頭痛の日記をつけることで、
何をしたとき、食べたとき、どのような前兆があったか、を把握し、引き金となる要因を明らかにできます。
・行動療法
リラクゼーション、バイオフィードバック法、ストレス管理なども、
片頭痛発作のコントロールに用いられます。
・ヨガ
筋肉を強化してストレッチする姿勢や、
深呼吸、瞑想、リラクゼーションなどが、
片頭痛に良い働きをします。
・片頭痛の進行を止める薬
トリプタン系薬剤、
特定の制吐薬(プロクロルペラジンなど)、
があります。
また最近、
ガルカネズマブ(抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)モノクローナル抗体製剤)という注射薬も新たに承認されました。
・痛みを抑える薬
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、
アセトアミノフェン、
があります。
・片頭痛の予防薬
ベータ遮断薬(プロプラノロールなど)、
抗てんかん薬(トピラマート)、
抗てんかん薬(バルプロ酸ナトリウム)、
抗うつ、不眠症の薬(アミトリプチリン)、
があります。

参考:メルクマニュアル家庭版、片頭痛ガイドライン

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