組織運営の技術

組織運営の技術は計画から

 組織運営の技術を支えるのは計画です。計画の良し悪しがその後の組織運営に大きな影響を与えます。計画は「ものさし」として組織運営中の進捗状況を測る基準となるものです。計画は組織運営が想定通りに進んでいるのか、それとも当初計画から離れてきているので、当初の仮定を見直すか目標の再検討が必要なのかを当初の計画と比べて判断に用いる「ものさし」なのです。
 計画を立てるとき「あーでもない、こーでもない」といろいろ考えたり、これを先にやってからあれをやろうかと作業の順番を考えたりします。作業ごとに始まりがあっておしまいがありますから、特定の作業についていつ始められて、いつ終わらなければならないかを考えるわけです。この特定の作業は先行作業が完了しなければ始められないのか、先行作業がどのくらい進行した後なら始められるのか。それとも先行作業の進捗に関わりがないので、同時に並行作業として開始できるものなのか。あるいは並行作業が終わる前に完了していなければならないものだろうか。このように計画業務として作業の手順を検討します。
 作業と作業の関係を検討すると、作業の手順には 次の4種類の関係しかないことがわかります。

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すべての作業と作業は論理(Logic)に従うと4種類の関係で表現できるのです。(コンピュータを使用して証明されたといわれる地図の4色問題のようにすべての作業関係は4種類のLogic Flowで表現できることが証明されているかどうかは定かではありませんが。)
 組織運営は技術ですから、計画は理詰めで立てたものでなければなりません。理詰めで計画するということは作業の手順を論理に従って組み立てることです。言い換えると、Logic Flowを描くことです。組織を運営し簡単な課題を解決するときは頭の中で論理を構成すれば十分です。しかし、複雑な課題を論理的に導くときは仮説の立て方と想定の仕方が重要となってきますので、Logic Flow Chartが力を発揮します。計画が論理的に十分検討して組み立ててあるLogic Flow Chartは、計画の変更が必要になったときに理詰めの説明ができるからです。組織運営は技術といわれる所以です。理詰めの組織運営を越えて最終手段として総合的判断(Political Decision)がなされる場合は、組織運営の責任者に信用があるか、組織が信頼に足るかがポイントとなってきます。

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