組織運営の技術
組織運営の技術 – 会議
組織運営の重要な要素の一つに会議があります。会議は組織の立ち位置と目的によりいろいろあります。国が集まる国際的な会議や国内でも多くの組織がかかわる会議、組織内では異なる部署の参加する会議や同一部署内での会議などです。会議を開催する目的は参加者の協議を通じて組織としての意思決定をすることいえます。
会議についてよく言われることに会議の時間が長いとか、会議の数が多すぎるということがあります。いずれもの会議も出席者が不明確であったり、目的がよく理解されていなかったりすることがあります。また、せっかく会議で協議したにもかかわらず、組織の方針決定が上司の裁量で決められたりすることすらあります。基本的な会議の運営手法は確立されていますが、会議の主催者(議長)が前例踏襲を続けるために生じる悪弊は無くなる様子がありません。
今一度会議の進め方をおさらいしておくことは、組織運営の技術の一環として必要ではないでしょうか。わかっている、やっているといわれるかもしれませんが、現在の遅れを正しく認識すれば無駄な復習とは言い切れません。
会議には1回限りという会議もありますが、一般的には定期的に開催される会議がおおくあります。したがって、定期的な会議では会議の目的と出席者が明らかになっています。ですから、開始の時間になって上司から急に“今日の会議は君も出るように”と言われる会議はないはずです。言われて会議に出席して聞くだけで“時間の無駄だった”というようなことは、正しく運営されている会議ではあり得ません。
国際会議であれば出席者は国を代表して参加しているでしょうし、複数の組織が集まる会議に出席する人は各組織の代表として参加しています。組織内の会議に出席する人は部門を代表して参加しますし、部門内の会議では担当者が出席します。それぞれの参加者は上下関係にある場合が多いのですが、会議で発言する時点では出席者の全員が対等であることを主催者は理解する必要があります。会議の基本は出席者が対等の立場で出席していることにあることを会議の主催者が認識することは非常に重要です。
通常、会議の主催者(議長、責任者またはその代理人)は、少なくとも2日前までに必ず協議事項(Agenda)と資料を出席者へ届けておきます。出席者は資料を読み協議事項に対する考えをまとめてから会議に出席する義務があります。必要に応じて協議項目を深く調査しておくこともあります。
出席者は協議事項ごとに、出席者の発言をノートしておくことが必要最低限の仕事です。決定事項だけをメモするだけでは十分ではありません。もちろん、書記担当者には会議中の発言を詳細に記録しておくことが求められています。そして、会議終了後速やかに議事録をまとめて出席者へ配布します。定例的な会議では議事録を次回のAgendaとして利用することも少なくありません。
定例会議では毎回の会議の開始にあたり、協議項目に従って協議することで過去の進捗状況を復習し現状を確認します。立ち位置を認識することで将来の進捗を想定し進むべき方向を組織としての意思決定ができるようになります。
なお、会議の最後には全出席者に協議事項にない事項(Any Other Business)の提案があるかどうかを忘れずに尋ねます。もし、提案があれば協議します。
以上の通り会議を進めることはすでに当然と言われる方が多いと思いますが、正しく会議を進めること(つまり、参加者は全員が対等の立場で出席していることをリーダーが理解すること)で組織運営が楽になることが間違いなく実感できます。