ケアマネージャーは何をする人?
僕たちの身近にいる「ケアマネージャー」、正式には「介護支援専門員」という仕事を知っていますか?
介護が必要になったとき、真っ先に頼れる存在です。ケアマネージャーは、要介護認定を受けた人にとって「介護サービスの設計士」と言える役割を担っています。
介護保険サービスの計画(ケアプラン)を立て、利用者や家族と相談しながら、必要なサービスが適切に提供されるよう調整するのが主な仕事です。
具体的には、訪問介護やデイサービス、福祉用具のレンタルなど、多岐にわたる介護サービスをつなぎ合わせ、利用者の生活を支えます。そして、僕が働く透析クリニックのような医療機関とも連携しながら、医療と介護の架け橋になるのもケアマネージャーの大事な役割です。
ケマネージャーの抱える悩み
しかし、この仕事、聞いているだけでも大変そうだと思いませんか?
現場のケアマネージャーさんたちと話すと、いくつか共通した悩みが見えてきます。
一つは「限られた時間とリソースの中で利用者全員に目を配る難しさ」。一人あたり30~40名を担当することもあるため、どうしても1人1人にじっくり関わるのが難しいという声をよく聞きます。 
さらに、家族や本人の意向と、現実的な介護サービスの間に立たされることもしばしば。「できれば自宅で過ごしたい」と希望する家族に対し、現場のサービスが不足している場合、どう説得し調整するか頭を悩ませるケースも多いそうです。
高齢の透析患者さんへのケアマネジメント例
僕が担当した60代の透析患者さんのケースを紹介します。この方は独居で、週3回の透析通院が生活の中心でした。しかし、自宅内での転倒を期に歩行状態が悪くなり、送迎者への乗り降りにも支障がでていました。そこで、ケアマネージャーは訪問ヘルパーさんによる送迎補助をサービスに組み込み、当院への送迎サービスを円滑にできるようにプランを調整してもらい、その患者さんは途切れることなく透析治療を受けることができました。
このように、ケアマネージャーは医療と介護の連携だけでなく、生活そのものを設計し、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるようサポートする存在です。
透析患者を支えるケアマネージャーの役割
透析が必要な高齢患者さんにとって、ケアマネージャーの力は欠かせません。僕が感じるのは、彼らが単にサービスを調整する人ではなく、患者さんや家族の「想い」に寄り添いながら生活全体を支える存在であることです。
住み慣れた地域で透析を続けながら、自分らしい生活を送る。そんな未来をつくるための一歩を、ケアマネージャーとともに歩んでみてはいかがでしょうか?