100%女目線で選ぶスポーツ漫画 【第3位】
みなさん、漫画読んでますか?
これは、私が所属する漫画会で最もよく耳にする挨拶です。
英語で言うと「ハーワーユー?」ですね。
漫画会と言っても怪しいものではありません。漫画をこよなく愛する人々が集まり、毎回設定されるテーマに沿って自分の好きな作品について(プレゼン資料を作成して)語り合う、という至って健康的な会です。
今回は、そんな私の内に秘めた漫画愛を解き放つべく、初参加の時に出されたお題「スポーツ漫画ベスト3」に選出した作品を紹介していきたいと思います。
選考にあたって
スポーツ漫画ベスト3、といっても超名作を並べるだけではつまらない。
ということで、性別は女であるわたくしは自分なりの裏テーマを設定して選考に挑みました。
それは
「100%女目線で本気出して考えてみた」 スポーツ漫画ベスト3 !!!
女だから、男だからで括れない部分があることは百も承知ですが
なぜ女性である自分がこの漫画に魅力を感じるのか?
その視点で考え分析したことを中心に紹介していきたいと思います。
前置きはこれくらいにして、早速スタート!
第3位 「ホイッスル」 樋口大輔
※ここから先はネタバレを含みます。
少女漫画で育った私は、スポーツ漫画を読んでこなかった。
生涯で読んだ作品はおそらく両手で数えられる程度。
そもそも、スポーツ観戦というものに興味がない。W 杯もオリンピックも私個人の純粋な動機で観たことは、多分ない。
なぜだろう?
スポーツは観るよりするほうが好きだという単純な理由もあるけれど、もっと根深いところに原因がありそうだと考えた。
そして今回、その解をまさしくこの作品が持っていると気づいたのだ。
ホイッスルは、女性による女性のためのスポーツ漫画である(と私は評価する)。
ただし、作者本人にその意図があるわけではないと感じる。ペンネームが男名であることからもうかがえるが、男性が楽しめるクオリティを目指していることは読めばわかる。
では一体どこが女性向けだと感じるのか。
イケメンぞろいのキャラクターだとかカワイイ属性強めの主人公だとか、そんなのは大した話ではない。
大事なのはただ一点、「汗臭さ」が無いことである。
もちろん汗の描写が無いわけではなく彼らもそれなりに汗まみれ泥だらけになったりはする。それでも、なんだろう、汗臭さは 1 ミリも感じない。
それこそがこの漫画の特異点であると私は思う。
困ったことに、少女漫画にどっぷり浸かった私のような女にとって
理想の男性=綺麗な王子様=汗とかかかない男性
という等式は余程のことがない限り更新されない。(あくまで脳内の、理想の話として聞いてください)
私がスポーツ観戦を苦手とする理由も要はそこにあって、汗臭くないスポーツなんて現実には存在しない。だからなのだろう。
ただし、汗が嫌なわけではない。決して嫌悪感ではなくて、違和感と言うのがおそらく正しい。突き飛ばすほどじゃないんだけど、なんか一歩後ろに引くくらいって言ったら伝わるかしら。
スポーツに限らず、自分がプレイヤーではない状況で他人が何かしているのを観て楽しむ時って、憧れのような感情が必要だ。
そして、憧れ続けるためには違和感や現実味はあっちゃいけない。特に自分はその傾向が強い。
私にとってスポーツ漫画における汗臭さは、否応無しに違和感を引き起こされてしまう要素なのだ。
だから、桜木ヤバイ!ゴリ凄い!流川抱いて!とかは全然思うけど、彼らに憧れるってことはない。
すっかり自分語りになってしまった。
結局何が言いたいかと言うと、ホイッスルは少女漫画育ちが読んでも全く違和感を感じない、だからこそ心底楽しめるスポーツ漫画だってこと。
あと一つ言うならば、主人公の所属する弱小チームが成り上がっていくパターンではなく、上手いヤツは選抜に引き抜かれ早々にそっちメインの展開へっていう弱肉強食感がリアルで良いです。以上です。
P.S.
全国のスポーツマンおよびスポーツ漫画を愛する皆さんを敵に回す発言しまくりですが、運動神経のいい男性は大好きっていう矛盾だらけの人間なのでさらっと読み流すくらいにしといてくださいネ
はい、というわけで、1作品で結構なボリュームになると気づいたので第2位の発表は次回へ持ち越したいと思います。お楽しみに!
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