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[一語一会の種 #4] Infodemic
Infodemic:
"An infodemic is too much information including false or misleading information in digital and physical environments during a disease outbreak."
Infodemicとは,疾病の流行中にデジタル空間及び[社会での]生活環境において,誤った情報や誤解を招きかねない情報を含む,過剰な情報[拡散]のことである.(訳出は筆者)
新型コロナウイルスへの感染拡大の過程でWHOが注意喚起するなど世界的に話題になった言葉だ.結果として混乱が生じたり,一部で「リスクを冒した」行動に走ったりし,また,健康・医療を管轄する部局や政府への不信につながるとのことである.
スマートフォンという名の高性能計算機の普及とSNSをはじめとしたインターネットへの接続が世界全体で進んだここ10年で,人々が触れ,発信する情報の量は飛躍的に伸びた.
個人的に重要だと思うのが,WHOによる定義をご覧いただくと,あくまで.誤った情報や誤解を招きかねない情報を「含む」ということで,問題の核心はその量にあると考えられるということだ.まさに,玉石混淆という教科書的なワーディングが当てはまるところであろう.情報量が多すぎる,インプット過多になるという点で,疲れてしまうということも含意しているとも考えられる.
ここでジレンマにぶち当たるわけだ.あまりに情報を取り入れすぎるとしんどくなってしまう人もいる一方で,パンデミックでも何でも社会にかかわることはそうだが,本来的には多角的な情報をある程度取り入れて,それらをもとに自分で考えることが肝要だ(また別の記事で論じたいが,フィルターバブルの問題もある).
いかにこれを乗り越えていくかは,閉じこもりがちな日本人としても,グローバルな問題が多くある中での一人の市民としても,課題となるところであると考えているところなのである.