[一語一会 #20] 自己嫌悪
自己嫌悪は思考停止の別の形であり,大体は行動を起こしていないことに起因しているように思う.
自分のためにも,もう少しポジティブな書き方をするのなら,自己嫌悪というのは何か自分の理想像があって初めて成り立つものである,しかし,それに対する行動が著しく足りていない状態である,と考えることもできるだろう.
例えば,周りの人と違って,人間関係やチームでの立ち回りを器用に扱うことができない(まぁ,扱おうと考えている時点で誤りなのかもしれないが)ことで,自分を責めるということがよくある.
この例で言えば,理想的には,チームや相手にとって邪魔にならないことを前提に何かしらちゃんとバリューを発揮できるような人間でありたい,というような考えが心の奥に眠っていると考えることもできよう.
しかし,そのために具体的に行動を起こそうとしているわけではなく,むしろ今なんとかなっている(生きてはいけるというレベルだろうが)という状況に安住して,もはや何を変えるべきかなどの思考もしていないというのが現状なのだ.ある意味,「エネルギー切れ」の状態といってもいいかもしれない(前に上げている記事もご覧いただければと思う.)
思考をし,行動をするためには,エネルギーが必要である.生物としては,それをできるだけ節約しようとするので,人間も意識しないとそれらを行うことができないし,だが逆に言えばそこに,理性によってそれらにエネルギーを投下し,前向きに物事を進められる能力にこそ希望があるという趣旨のことを,高橋祥子さんのご著書で拝読した.
また,情熱が理想像と現状との差分と理想像に向かう初速との掛け算であるということも述べていらっしゃった.以上のことを勘案した結果,理想像があり,それに対する差分が分かっているのであれば,まずは行動にいかに早く移れるかということが重要となることだ.それによって次のステップへの思考と行動のハードルを下げていき,好循環によって理想への道を自分で切り開くのだ.
実際に自分の経験でも,思考(もしくは苦悩か)をある程度で断ち切って,行動に移した方が,結果として得られることがあった.
例えば,些細な事例で恐縮であるが,私はコミュニケーションの場で何を話せばいいかわからないことがよくあるのだが,それが自分の能力上仕方ないのだと諦めていたので,しばらくは何もしていなかった.しかし,それによってさまざまな場の時間を無駄にすることもあり,やはり何とかしていきたいなと思い,質問や話題を少なくとも一つ事前に考えておくことをするようにした.それによって少しは改善はしたと思うし,レパートリーも増えて,ちょっとずつではあるがさらに改善を進めていけるような気がしているのだ.(まだまだ道半ばであることは間違いないが.)
自己嫌悪は理想に向き合う大切な時間であることは間違いない.その時間を活かすためにも,行動へ思い切って移すこと,そのために意識・思考を絶やさないよう,努められればと思う.
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