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福井県の薬剤師不足についての考察

地方のニュースになってますね。
分業が進んでいないから薬局が少なく、薬剤師も少ないという解釈だが、一時期に薬局数が大きく減った時期があるのだよな。

以下は私見です。

政府の公開しているデータを見ると、当時何が起こったのか分からないのだが、中小のチェーン調剤が潰されたのではないかと思われるデータが確認された。それについては、わたしの修士論文の先行調査でも考察していた。


Twitterで情報を求めたところ、その県には分業に反対の「ボス」がいたらしい。それも大学病院に。その人の意向で県内の分業が進んでこなかったと教えてもらった。今でも大手すら福井県には踏み込みたがらない。リスクが多すぎるし、そのような過去があるので薬学部の新設の要望すらされないのだろう。

下の図を見てほしい。ナショナルデータを用いて解析した図だ。年度は伏せる。
縦軸は人口千人あたりのチェーンと非チェーン薬局の合計を、横軸は人口千人あたりの薬剤師数。福井県は薬局数では沖縄を抜いて最下位。薬剤師数でも2位。
逆に人口千人あたりの薬剤師数が1位の徳島県。
同じ「地方」でもなぜ、これほど差があるのか。
不自然だと思わないか。薬局がないから薬剤師がいないという理屈はわかる。
でも、薬剤師がいないから薬局がないと言えるだろうか。
東北地方を見るといい、薬剤師数は少ないが人口あたりの薬局は少なくない。
山形県、宮崎県にも薬学部はない。

人口千人あたりの薬剤師数と薬局数


では、なぜ福井県だけが特殊な状態になっているのだろうか。
これは以前からツイッターでも私が散々指摘してきた。
この問題が、福井県民の健康や医療に、どのような影響を今後与えていくのか、引き続き追跡していこうと思っている。

今後、分業後進国、福井はどうなるのだろうか。

全国レベルで分業がほぼ完成した現在、いまさら薬剤師足りないのは分業をしていないせいだ、と薬剤師を責めてほしくは無いな。

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