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調剤事務員は必要ないのか(2)

前回は、調剤事務員がお局化することによる薬局としてのリスクと、その予防について長文になったが一通り述べた。
今回は、「お局」の存在によるメリットとデメリットを検討し、「お局」の生き残りかたも併せて考えてみる。
この記事の目的は、薬剤師と調剤事務が共存共栄することにより、機械化だけでは達成できない薬局の未来を残すことである。
実際の国内でのテクニシャンの事例も紹介する。

薬局にいるお局さまと呼ばれる、調剤事務さん。
どうしても、長く同じ場所にいると、それだけでお局化してしまうリスクとなる。
リスクと言っても、一概にお局化が悪いとは言わない。
その職場での経験が豊富で、業務やスタッフの管理を取り仕切ることができるといいう面では、非常に頼りになる存在であることは間違いない。

それらは「有能な事務さん」と呼ばれるだろう。
一般的に、薬局のお局さまと呼ばれる場合は、困った面も含まれることが多い。

まずは、その困った「お局」さまの、事例を考えてみよう。

多くは、人的面での問題がある。

たとえば、新しく入ってきた薬剤師や事務員に対して、高圧的にふるまう、など言動面での問題である。
基本的に薬局での業務については、薬剤師が責任を負う。
管理薬剤師や開設者が責任を負うが、一般の薬剤師にも当然業務上の責任はある。
そのため、ヒエラルキーとしては、
開設者→管理薬剤師→一般薬剤師 の順で責任とともに、権力は与えられているはずである。


これは、「職場での経験や年数」に関係はないのである。

しかし、ピラミッドの下で薬局を支える立場であるはずの、調剤事務員がお局化してしまうと、この責任と権力のバランスが壊れてしまうのである。

もちろん、誤解してもらうと困るのだが「事務員の立場が低い」と言っているのではない。
私のnoteやTwitterを見てくれているひとなら、わかるはずだが、調剤事務員は超重要な立ち位置なのである。

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