新入薬剤師諸君。同期と自分を比較するな。
個人内比較と他者との比較
薬剤師として働き始めると、やはり気になるのが自分の仕事の出来具合。
ちゃんとした仕事ができているのだろうか、
とか上司や会社からの評価はどうなのだろうかとかである。
コロナ前までは、同期の薬剤師たちと飲み会や食事などで頻繁に会うことができたのだけども、コロナ禍になってほとんどそのような機会が失われてしまった。
特にここ2年くらいに入社した子らは、忘年会や歓迎会など、皆と集まって飲食しつつ、仕事の話をすることなんて、ほとんど経験がないだろう。
本当にかわいそうだと思う。
飲み会とかの機会に、そっちの薬局はどんな感じ?とか、怒られてない?とか、先輩きびしくね?とか、LINEでは話せないことも話せたはずなのに。
そんなこんなで、なんとなく薬剤師として1年とか2年と時間が経ち、
自分の立ち位置、ポジションがどんな感じなのか見えなくて不安になることが出てくる。
そして、だれかがどこかの店の管理薬剤師になったとか薬局長に抜擢されたとか、そんな話を聞くようになる。
そして不安になって自信が揺らぐ。
別に自信があったわけでもないけども、同期が出世したというのを聞くとだれでも、正直なところ、「おめでとう!よかったね!」という気持ちになるのは難しいだろう。
自分だけが取り残されたような気がするのである。
そしてまた1年。
同期の半分以上が出世して店を任せられているとか、そんな感じになってくる。
ますます自分は仕事ができないのではないかと思ってしまう。
これは仕方のないことである。
正直言って、
「本当に能力が高いから出世するというケースは、薬剤師に限ってはあまり無い」のが事実である。
だって、2年やそこらでその人の薬剤師としての実力や、その人の持っているポテンシャルはわからないのである。
人事というものは、会社の都合でどうしても人が足りないから、若手を抜擢していくとか、「会社都合」がほとんどだからだ。
だから、同期である「他者」と自分を比較して一喜一憂するのは無意味なのである。
もちろん、「あいつには負けないぞ!」程度のモチベーションにするのは問題ないと思うが、
それだけを目標にしているのもよくない。
他者比較ではなく個人内比較をすべきなのである。
自分の中でどれほど成長したか。
なかなか自分で自分のことは客観的に見れないのである。
考えれば考えるほと、
自分を見つめ直せば直すほど、自信がなくなって不安になるのである。
じゃあ、
どうすれば、個人内比較ができるか。
外部の目を使うのである。
認定や試験を受ける。
自分の実力を客観的に採点してもらうのである。
薬剤師の国家試験が終わって、長い受験生活から解放されて、もう勉強などしたくないと思うだろうが、本当の試験はこれからなのである。
専門薬剤師になるための認定単位や、
学会参加など自分をレベルアップさせてくれる機会は多い。
周りが他者間比較して苦しむ中、自分は自分と比較して生きる。
学会などでも、薬剤師の先輩らの背中を見る。自分の所属する会社以外の広い世界を見るのである。
これから、薬剤師として40年近く、楽しく生きがいを持って働くために、
他者との比較よりも、過去の自分との比較をしていこう。