薬剤師のコミュニケーション能力について。
さて、先日は地域ケア会議に行ってきました。
学生も連れて行き、彼女にはかなり刺激になったようです。
学生と話をしていて思うのは、薬剤師ってのは、一人で何役もしなければならない仕事なのだよな、ということ。大変だよな。
その一人で何役もするためには、コミュニケーション能力は必須である。
患者さんには患者さん向けの対応を、医師には医師向けの対応を、地域には地域にあわせた対応を、学生には学生に向けた対応、従業員には従業員に合わせた対応を、など、合わせる「相手」が多い仕事である。
一般の営業職ならば、相手はお客様だけ。
もちろん、お客様には仕入れ先や元請けや下請けなどのビジネス相手も含まれるので多岐にわたらないわけではないが。買ってもらう事でその努力は報われるので頑張ろうと言うモチベーションは働きやすい。
ドラッグストアや大手調剤の「会社勤め」の薬剤師にとってのカスタマーというのは、患者さんだけではないのはなんとなくお分かりいただけると思う。
患者さんに良い対応をするためには、良い従業員が必要で、良い従業員が必要ならば、上司に要請や人事異動などの交渉をする必要がある。
良い従業員が集まっても、彼ら彼女らとコミュニケーションが上手くできなければ、あっという間に辞められたりする。
良い従業員の良い点、強みを引き出さないと、良い薬局は作れない。
知識が豊富で、仕事ははやく正確でも、コミュニケーション能力が十分にないとその仕事能力は適切に発揮できない。
これはプレーヤーでもマネージャでも同じ。
マネジメント能力が高くても、人から信頼されないと仕事の成果を適切に出せない。
薬学生は6年以上の長きにわたってひたすら勉強することになる。アルバイトなどで接客経験や人生経験を積むことは一般学生に比べると簡単ではない。
そこは同じ病院や薬局などで働く他職種(看護師さんや事務員さんなど)と比べて必然的に劣ることになるはず。
仕方ないことである。
しかし、「劣る」ことや「たりない」ことを自覚しないとコミュニケーション能力は向上しない。
勤め始めて、「私は薬剤師なんだ」という自覚は必要だがプライドはまだ必要ない。
周りのコミュニケーションが上手な人たちを見習い、積極的に彼ら彼女らとコミュニケーションをして、自分に自信をつけていく必要がある。
コミュニケーション能力を上げる自信がない、それはみんな同じ。では、どうすれば身につくか?
それは、「人を良く見る」ことである。
ただこれだけである。
スタッフであれ、患者さんであれ、取引先であれ、その人に「興味を持つ」ことである。
これが、自分も相手に興味を持たれることに繋がり、コミュニケーションが上手くいくようになるコツだ。
興味を持つだけでなく、好きになってもいい。
人を好きになることが、
いちばんの近道なのかもしれない。