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全宅ツイ不動産チンパンジー情報 第128号

【特集】リノベーション・リフォーム最新事情

お鯛:今回のテーマは「リノベーション・リフォーム最新事情」。インフレや人手不足が深刻化するマーケットに何が起きているのか、コスト上昇にどう対応しているのか。リノベーションに詳しいこのお二人にお越しいただきました!

橋本純(以下、橋本):東京都練馬区でリノベーションの会社VISTAを経営しています。実需仲介もちょろっとやっており、主に城西エリアが中心です。Xでは主にリノベのあるあるやリノベ会社の経営について発信しています。

いのっち★工務店大家(以下、いのっち):愛知県名古屋市エリアを中心にリフォーム工務店をやっています。元々は新築注文住宅の現場管理をやってました。先代の父から会社を継いで9年目です。Xでは現場で使えるリフォームテクニックを発信しています。

・新築は高止まりで減速、活況するリノベ市場

いのっち:よろしくお願いいたします。
橋本:よろしくお願いします!
お鯛:さて、僕は新築をメインにやっていまして、昨年の着工棟数の数字が出てきてちょっとこれは大変だなと思っているところです。昨年の新築は80万戸ギリギリ。その中でもガクっと減ってるのが持家(注文住宅)の部分です。

いのっち:これはかなり下がってますね
橋本:弊社も戸建ての多い地域なので、コロナ禍に比べて着工中の新築がだいぶ減ったなと感じています。
いのっち:コロナ禍はむしろバブル感ありました。
お鯛:ありましたねー。今はどうですか? 名古屋エリアの新築市場が死んだのはoukiさんのツイートでも見たような…。


いのっち:名古屋エリア&近郊の新築市場はまだ厳しい状況が続いています。先日、名古屋中心部まで車で30~40分くらいのところ(坪単価15万くらいのエリア)で、一建設の新築分譲が3月末決済で1500万で取引されてました。
お鯛:厳しい…。
いのっち:名古屋エリアの中古マンションでいうと「中心から少し離れた駅」「比較的駅近」「築30年程度」「80㎡(ファミリー)」「内装・水廻りフルリフォーム」なら2,000万前半なら売れるっていうイメージです。2,500万以上だとなかなか売れない。中心部は「大手ブランドマンション」なら高くてもすぐ売れるみたいです。新築分譲については東新住建の定期借地の平屋の家シリーズは1,900万~2,700万くらいの価格帯は爆売れしてると外構職人から聞きました。
お鯛:地方では平屋が人気だって聞きました。熊本だかどこかはもう新築のほとんどが平屋って。
橋本:平屋への憧れってありますもんね〜。

・「仲介+リノベ」は地方でも定着

お鯛:さて、そんな新築市場の冷え込みに対して、リノベ界隈はどんな感じですか?
橋本:リノベはかなり反響が多いですね。弊社の規模でも秋ごろまでほぼいっぱいというくらい案件があります。1次店さんも暇な会社がないというくらい忙しそうです。
お鯛:おー。
いのっち:橋本社長のところは人気工務店ですから!
橋本:いえいえ!
いのっち:ぼくもおかげさまでXからのお仕事もあり、仕事は常に切れてないという状況です。秋とまではいきませんが、とりあえず夏まではw
お鯛:お二人とも商売繁盛ですね。今は何と言っても土地が高いから、「中古を買ってリノベ」っていう流れが強くなってるのかもしれませんね。
橋本:そうですね! 新築を諦めて中古に流れるという方は多そうです。
お鯛:橋本さんのところは自社で仲介してからリノベまで一気にやる感じなんですか?
橋本:はい! ただ仲介と設計は別で動いており、一蓮托生という感じではないのですが。
いのっち:仲介+リノベのワンストップは名古屋でも強いと思います! 新築系が全然だめで、仲介+リノベをやりだしたら繫盛してるっていう工務店の話を今日聞きました。
橋本:地方はまだ伸びてる感じがありますね! 全国FCに入ってるので、生の声もそんな感じです。
いのっち:こっちだとナカジツが有名ですね。
橋本:一方で、東京ではこうしたワンストップサービスが増えており、元々覇権を握っていた会社が苦しくなりつつあります。
いのっち:そうなんですか!東京は苦しいんですね。競合が多すぎですか?
橋本:こうしたワンストップサービスは中古をフルリノベして、仲手との合算粗利500万というのがひとつの基準だったのですが、物件価格が上がりすぎてキツくなってしまいました。買取業者に売り物件を取られてしまうというのも厳しくなった理由ですね。
お鯛:猫も杓子も買取再販って感じになっている気はします。みんな買い取り再販しすぎて在庫はエグイ感じになってきてますね。

橋本:仕入れが上がりすぎたせいで、割高な販売価格になってしまっているのが在庫増の原因ですかね……。
お鯛:取得費用が上がって大変な状況は中古も土地も同じって感じですかね。

・工事費高騰も、価格転嫁への理解は進む

お鯛:我々工務店の悩みの種と言えばもう一つは工事原価の高騰じゃないでしょうか? これは新築住宅のグラフですが2019年のコロナ禍に比べて120%。これ2019年が特別安かったわけではなく、ウッドショックが始まりかけでこの時点でもだいぶ高かったですからね。

いのっち:コロナ禍から120%というのは体感と一致してます。
橋本:そうですね。フルリノベも㎡単価がみるみる上がってますw
いのっち:うちは職人さんへ分離発注して自分が現場管理しているのですが、先日常用(仕事を1日行ったら〇〇万円貰えるといった契約方法)のタイル職人から日当を上げてほしいと言われて、日当で22, 000円→24,000円にしました。
お鯛:職人さんの人件費も上がってますねー。皆さん物価高の現状はどう切り抜けていますか? 価格転嫁していくにしてもお客さんがついてこれなくなっちゃいますよね。
橋本:予算に合わせてのVE(Value Engineering)はけっこう努力しているかな、と思います。マンションでフルリノベの㎡単価がおよそ15万円なので、既存利用しながら(使える部材は使いながら)10万円くらいでできるように提案しています。
お鯛:確かに既存利用はコストカット策としては一番良いですね。
いのっち:タイルの目地を白ペンてるで塗って切り抜けてます(冗談です)
お鯛:いのっちさんのタイル目地修正ペンは目からウロコボロボロ出たw

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