全宅ツイ不動産チンパンジー情報 第136号
【特集】今日からできる!集客できる写真のコツ
お鯛:本日は建築写真家のキャットさんに来ていただきました!
建築写真キャット(以下、キャット):本日はよろしくお願いします!
お鯛:プロの写真家に物件写真の撮り方について明日から使える物件写真のコツを教えてもらおうと思っています。
まず、キャットさんの自己紹介をお願いします!
キャット:私は不動産物件写真から住宅・店舗の竣工写真まで、神奈川・東京を拠点に建築を撮って生きてるフォトグラファーです。気付けば数千件撮ってました。各SNSでは物件写真の撮り方などの情報発信をしています。
お鯛:数千件!まさに物件撮影のプロですね!ってまぁプロをお呼びしていていきなり何なんですけど…プロに物件撮影してもらう必要ってあるの?
キャット:そう仰る方、実は多いんですよね。結論から言うとプロの写真は必要あります。
・なぜいい写真が必要なのか!?
お鯛:写真よりもYouTubeだったりTikTokだったりいろんな集客方法が十分あるじゃないですか。綺麗な写真より女の子踊らせて物件紹介の動画の方がいいんじゃないの?
キャット:それはあるかも…ってわけはなくて。そこから実際にお客様がお店に訪れた時に提案する物件の写真がなんだか冴えないものばかりだったらどうでしょう?せっかく信頼できるお店に来れたつもりがイメージと違ったり、良い物件がないからと、お客様は離れていってしまうかもしれません。
お鯛:んー、たしかに…
キャット:それにプロの写真は物件の魅力だけでなく、やる気のある会社なんだとお客様に印象つける力もあります。街中で見かける不動産屋さんの店頭広告の写真の質が高いお店と低いお店、どっちがしっかり対応してくれそうでしょうか?考えるまでもないと思います。印象は大切です。
お鯛:でも正直微妙な物件をむりやりピカピカに見せても実際案内したらガッカリで成約につながらなかったなんて事もあるんじゃないですか?
キャット:そうなんですよね。私も気になって実際にエージェントさんに何度か聞いたことがあるんですよ。
キャット「綺麗に撮りすぎるとギャップで成約しづらいんじゃないですか?」
担当さん「それはたしかにある話だけど、ご案内の前にしっかりとお客様に説明するのが我々の仕事なので大丈夫です。むしろ写真が良くないと問い合わせそのものが増えないのでいつも助かってます。」
つまり物件写真は問い合わせを増やすことがまず第一の役割なのです。
お鯛:ぐぬぬ、写真は大事だけどその前にオマエラもちゃんと仕事しろって事ですね。たしかにコレだけやればOKなんて完璧な集客施策は無いから、写真だけ良くてもダメだけど写真が悪くてもそれは同じって事ですね
キャット:成約まで考慮したギャップの少ない物件写真というのも私は日々分析してますがまずは、よろしくお願いします笑
今の時代、物件探しでいきなり実店舗に行ったりする人は少ないですよね。まずは某緑とかオレンジとかの大手プラットフォームで検索するわけです。
お鯛:たしかに、まずはネットで探しますね
キャット:しかもその時点ではどの仲介業者に頼むかとか普通考えていない。いい物件があったときに初めてその物件を取り扱う仲介業者選びに入りますよね。その時に重要なのが写真なんです。
お鯛:膨大な物件数があるなかでまず気に留まるかどうかは確かに写真のチカラが必要ですね
キャット:そうなんです。実はその写真を撮っているのがどの仲介業者なのか、も意外に大事です。なぜ他社が良い写真を掲載しているのに自社で用意しないといけないかというと、その会社の本気度、雰囲気、そしてセンスが物件写真を通して見えるからです。
お鯛:なるほど。仲介の場合同じ商品をそれぞれがアピールするわけですし差別化というか本気度が見えるようにするのは大事ですね
キャット:もし片手間でスマホで雑に撮った薄暗い写真が載っていたらそれだけで「やる気なさそう」「本気で取り組んでくれなさそう」「やり方まで古臭そう」みたいなネガティブな感情を持たれてしまうかもしれませんよね。なんなら大手になるとプロカメラマンを手配していないとそもそもお客様から選ばれにくくなってしまうのが現実らしいです。「絶対プロの写真とか無くても売れるでしょ」っていう好条件の物件に撮影に行くこともよくあるので、「正直写真いらないんじゃないですか?」と伺ったことが以前あって、そのときに言われたのが「もうプロに撮影手配していないと本気度が伝わらず他社に負けてしまう」と仰っていました。”お客様に対してのパフォーマンス”としても非常に重要なようです。
お鯛:ほほう、物件写真の撮影には買主に対するアピール以外にも売主に対してもアピールになるんですね!プロの写真ってやっぱり重要なんですね。
キャット:私が言うとポジショントークくさいですけど、実際に現場の声を聞いてみるとそうなんですよね。
お鯛:でもお金かかるからなぁ…。カメラ買うだけ買って自分でやった方が安く済みますよね?
キャット:これはプロと同じクオリティの写真を内製で撮ろうとした時にいくらかかるか計算するとその正体が見えてきます。実は内製化には相当なコストがかかります。それ以下のコストで高品質な写真を得られるならそんなに高いコストとは言えないかもしれませんね。でも、カメラ買うだけで同じクオリティってのはなかなか茨の道ですよ
お鯛:それは間違いないですね
・ホームステージングはしたほうがいい?
お鯛:そういえば物件写真と関連ではありますが殺風景な写真よりも生活がイメージできるホームステージングっていうのもありますよね
キャット:はい、ホームステージング、いいですよね
お鯛:でもちゃんとやってる所はいいんですけど結構微妙なというか残念なステージングも結構ありませんか?
キャット:そうなんです。実はホームステージングにも落とし穴があって、物件オーナーさんとかでよくありがちなのが中途半端な素人ステージングです。仲介業者でステージング(素人)みたいなことをやっているところも知っています。立場上、あまり大きな声では言えませんが…
お鯛:このくらいしっかりやってるといいんですが
お鯛:これなんかちょっと不穏な空気を感じちゃうしw
お鯛:これなんかはもうどうして…
キャット:そうそう、こういうのですね…。きちんとプロや知識のある方がステージングするとすごく素敵な写真に仕上がるんですが、中途半端なステージングって「え、誰か住んでるの?」みたいな感じがして逆にみすぼらしいんですよ。写真にするとさらに際立ちます…
お鯛:よくわからないパスタ置きがち
お鯛:間に合わせの家具でやるとAVのセットかな?っていう感じになっちゃったりしますね
キャット:もはや大喜利ステージングと化してますね笑
お鯛:「ターゲットに合わせて飾り付け」ってのは異論ないんですけど、このステージングのターゲットってニッチ過ぎない?
キャット:ターゲットが明確すぎてもはや怖いです
お鯛:中途半端にやるとコストかかるのはプロカメラマンの何倍にもなっちゃいますね…
キャット:もちろん一流のステージングはすごいですよ。そういうお部屋もたくさん撮ってきているのでそのクオリティであれば間違いなく効果はあると思います。でも素人ステージングにコスト費やすぐらいなら完全空室の方がいいじゃん?と思います。そのコストをプロの撮影に回した方がいいです。
お鯛:素人センスでステージングするより、玄関先にお手紙と飴玉置くよりまずは写真って事ですね!
キャット:本当にもう誰も食べない飴ちゃんは片してもろて…
お鯛:すごい体勢…
キャット:峰さん、本気度がカンストしてますね
・自分で撮るにはどんな道具が必要?
お鯛:プロにお願いする意義も分かったんですけど、本気で内製化したいって思う人もいるとおもうんですよ。とりあえず一式そろえてみたいんですけど費用ってどのくらいかかるんですかね?
キャット:物件写真を本気でプロ級に撮るのであれば、やはりプロ級の機材が欲しいところです。ちなみに私が使っている機材はカメラレンズPCなどで100万円以上かかります。
お鯛:ん-、いきなり100万はキツイ…
キャット:ですよね。なのでとりあえずこれだけ揃えとけって機材を最小限にまとめると30万円ぐらいの機材投資で撮影できる方法を考えました。
カメラ:NikonZ5
レンズ:NIKKORZ14-30mmf/4S
お鯛:なんでこれがおすすめなんですか?
キャット:最小限で絶対に必要な機材は、フルサイズのカメラ。これはセンサーサイズのことなんですが、安いカメラはセンサーサイズが小さいことがあります。APS-Cセンサーというやつですね。センサーが小さいと広く撮るのが物理的に難しいのと、暗い場所での撮影でのノイズが乗って画像がざらざらになりやすくなります。だからフルサイズセンサーのカメラがおすすめです。ミラーレスがおすすめの理由は、レンズ設計が新しいからです。
お鯛:ふむふむ
キャット:続いてレンズですが、建築物を撮るときには歪みやゴースト&フレアなどが邪魔な存在になります。安価な超広角レンズではこれらが出やすいです。そのため性能の高いレンズを使った方がいいわけです。ニコンで現行で最も安価で業務仕様にも耐えうるフルサイズミラーレスカメラと超広角レンズがご紹介したものです。なぜニコンがおすすめなのかというとこのクラスで揃えようとした時に最も価格が抑えられることと、私が使用しているのがニコンであること、そして私がニコンプラザ銀座に勤務していたのでニコン製品のことを知り尽くしているからです。
お鯛:各メーカー信者のマウント戦争は楽しく拝見してますw
キャット:私はどのメーカーも適材適所で良さがあると思ってるんですが、何度も繰り返されるメーカー戦争は馬鹿らしいですよね笑。ソニーもキヤノンも似た機材を揃えようとするとこれより高くなってしまう。という理由が客観的かなと思います。建築といえばソニーキヤノンですが、実はニコンのレンズは安い上に性能が高いので上記の条件を満たしており、建築には最適なんですよね。
お鯛:なるほどー。
キャット:これ全部合わせて30万ちょっとですね
お鯛:おお、それくらいならとっつきやすい!
キャット:でも現実はこれでも厳しいですよ。コストもそうなんですけど、とにかく不動産屋さんってやること多くて忙しいんですよね。全くの素人からスタートしてカメラの知識も覚えて、さらに物件撮影の知識までっていうのはそう一筋縄ではいかないです。
お鯛:たしかに自分で撮影している暇があったら営業してる方がいいですもんね
キャット:それでもどうしても自社で撮りたいということであれば、物件写真の撮り方を徹底解説した動画をYouTubeで配信しているので、まず見ていただければ最低限のことはわかるようになっています。
お鯛:以前竣工写真おねがいしたらめちゃくちゃな写真撮ってきたウチの若手に視聴させます!!
キャット:竣工写真とはまたノウハウが異なるんですが、基礎の基礎的なものはお役に立てるかもしれません笑
お鯛:確かにプロにお願いしたり、高い機材をそろえるのはとっても大事だとは思うんですが…ぶっちゃけiPhoneでなんとかならない?シックスティーンプロなら!知らんけど!
キャット:お客さん、それは無茶ですよ!って言いたいところなんですけど、実はiPhoneで結構いけちゃいます。本当はこんなこと言いたくないんですけど、いけます。
お鯛:いけちゃうんですか!!?
・実はiPhoneで充分撮れちゃう!?写真撮影テクニック
キャット:結局、不動産屋さんやオーナーさんがご自身で物件撮影を行う最も現実的な方法がこれだと思ってます。今はスマホカメラの技術進歩がものすごいです。プロが見ても見間違えるようなこともあります。過去に「どっちが一眼カメラでどっちがiPhoneで撮った写真でしょうか?」というクイズポストをしたことがあります。
キャット:ぱっと見で分かりますか?
お鯛:これはわかんないww
キャット:じっくり細部を見ればわかるのですが、正直物件探ししてる人にとってこの差ってどの程度重要なのかと言われると、そんなに重要ではないですよね。
お鯛:パッと見の印象がそれなりに良ければってのはありますね。今は探す人もPCではなくスマホで見るので表示される画面も比較的小さいですし
キャット:そうなんですよ。だからスマホでも知識と技術があれば十分撮れちゃったりします。ただフォトグラファーとしてこれだけ言っておくと、この作例は光がよく回る好条件の現場での撮影で言えることで、どんな状況にも対応するにはやはりプロの機材とプロの技術が必要だと言うことです。
お鯛:たしかにスマホが補正してくれるにも限界がありますからね
キャット:しかしながら私は不動産業界全体の写真の質をもっともっと向上させたいという思いで情報発信しているので、スマホでプロ級の物件写真が撮れちゃう徹底解説動画を最近公開しました。あまりにも出し惜しみなく大公開しちゃったので、正直自分でもちょっと怖いです笑
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