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全宅ツイ不動産チンパンジー情報 第79号

【特集】物件調査のいろは

東サンドバッグ(以下、東):さあ始まります、全チン第79号。進行役は僕、心をどこかに置き忘れてきた「to C営業が苦手なロボット」こと東サンドバッグです
マスラオ(以下、マス):こんにちは!
ノンシュガー(以下、ノン):よろしくお願いします!
東:前回やらせていただいた際に「年に3回ぐらいだから!!簡単なお仕事だから!!」とパワハラゴリラに言われた気がするんだけど、ホントに3回で済むのかな?と思いながら今号は進めさせて頂きますので、皆さん宜しくお願い致します~。それでは、今回のスピーカーを紹介したいと思います!

東サンドバック:人生リャンシャンテンの不動産ブローカー。最近はメインバンク(地元信金様)の若者から半年前の領収書の原本を持って来いと言われてイライラしていたんですが、お金貸せるかもと聞いて浮足立ってます(ダッシュで持参しました。

マスラオ:北関東の地場業者の二代目です。他社で断られた物件を多数受託してるうちに気がつけば売契に1000円の印紙を多用する不動産屋になってました。地方凄惨不動産。最近の日課はボロ戸建投資家とのバトルです。もうすぐ40歳になります。未婚です。助けて下さい

ノンシュガー:関西エリアで住宅をメインとした仲介業をしている路傍の石です。素行の悪い零細企業で育ったのでコンプラ意識低め。先日チラシの反響に喜んでいたら「詐欺っぽい怪しい会社なのでやっぱり会いたくない」と断られました。広告費ない部。

東:ということで、地方限界集落「マスラオシティ」から孤高の一匹狼として道を歩むマスラオさんと、板橋競馬倶楽部&広告費ない部の主力メンバーで、孤高の限界独身ノンシュガーさんを招聘しました。お二人共、今日は宜しくお願いします~
マス:よろしくお願いします!
ノン:お願いします!
東:しかし、前号は過去最高売上とか凄いですよね。みんなホントにお金持ってる。持ってないの僕だけ。今回売上目標達成しなかったら、ゴリラにめちゃくちゃ詰められるんだろうな、こんな時に呼んじゃってゴメンね~
ノン:過去最高売上の次号のプレッシャーがきついですね…
マス:逆に考えるんだ! 今回は甘判定のはず!
※編集部注:そんなわけないだろ。
東:さて、今回はお勉強回です。この4月から不動産屋さんで働き始めた駆け出しさんや新米大家さん達など、新しく不動産に関わる方々に多少なりとも僕らの経験や知識を提供できたらと思い、物件調査についてのお話をさせていただけたらと考えてます。今回の3名は不動産オフロードを歩いて来てるから大丈夫!!
ノン:失敗談が役に立つ時がきた!
マス:失敗談の多さでは負けません!
東:失敗談、失敗談て、逆に心配になってきた…ww
ノン:少しでもトラブルを抑える役に立てばいいですね

・物件調査のスタートライン 役所調査はこう攻めろ!

東:まず「物件調査とはなんぞや」という話から始めましょうか。仲介業であれば、物件を仲介するにあたって「対象物件に問題になりそうなことはないか」「売主買主に不都合が無いか」を、買取再販であれば「商品化に支障が無いか」を調べるって感じで考えてますが、皆さんどうでしょう?
マス:物件調査は、まだ世に売りに出てない不動産を世の中に売り物(商品)として世に出すために、必要な最初の一歩だと思います。査定するにも、売りに出すにもまずは物件調査!重説作るために必要な通過点とも言えますが
東:FRK(注:不動産流通経営協会。大手流通会社で構成される不動産団体)が仲介に入ってるとオートマチックで書類作ってくれるから楽なんですよねー
マス:そうなんですねー。田舎なので見たことないですw
東:FRKいないの??
ノン:田舎だとやってないんだ…
東:まじか、ぶるーおーしゃんだ
マス:名前は聞いたことあるレベルですw
東:FRKが都市伝説ww
マス:オープンハウスすら知らない同業たくさんいます。軽く引きましたw
東:地方ならではってことか。ノンシュガーさんは物件調査をどう考えていますか?
ノン:今後使い続ける上で問題がないかはもちろんですが、「融資できる物件であるか」ということを気にしますね
東:確かに、基本的にエンドユーザーの買主さんは融資を使うことが多いから、融資が受けられる物件なのかという視点で調査するのも大切ですね。で、物件調査の最初は役所調査からだと思うんですが、役所に行く時はこんな感じの物件調査シート的なのを使ってる会社が多いですよね

引用:ミカタストア https://store.f-mikata.jp/chousa-seet/

マス:こんな感じですよね。僕は前勤めてた会社の独自のA3一枚ペラのを使ってます
ノン:同じくA3一枚のもの使ってます
東:やっぱり一般的にはそうですよね。では、各役所の都市計画課に行って用途地域から説明していきましょう…って言いたいところですが、役所関係の調査はホントに基本的なことで庁舎内の担当部署を回っておしまいなので、ポイントだけ触れていきましょうか。だいたい現地にトラブルの種が眠ってるので
ノン:役所調査については、ほとんどの項目はネットの調査で足りてしまうので、不足分や気になるところを確認しに行くって感じでやってます
東:確かに今はネットである程度情報取れますもんねー
マス:ネットはうちのエリアでは整備率低いです(泣)
東:何かと不便なマスラオシティw
マス:役所って、窓口に出る人によって回答が変わるので注意が必要ですよね。質問の仕方によって返ってくる回答が変わるのでそこは気をつけてます。あとは担当のレベルが低いと間違った答えを言ってくることもあります
東:あー分かる
ノン:ちゃんと担当者の名前を覚えておかないと後で困るやつだ
マス:地方は本当に独自ルールがあるので初めての役所は注意します
東:独自ルールは怖いなー
マス:不明なときはとことん突き詰めて聞かないとだめですよね。役所の人って本当に断言してくれないケース多いです
東:できるかできないかで聞くと断言してくれないので、「今までのケースで、できたことできなかったことありますか?」って聞くと色々教えてくれるイメージ
ノン:引き出し方が大事になりますよね
マス:本当に!あとは質問をシンプルにして聞くのもいいですね
東:道路に関する情報は、ネットで拾えないところが多いので、役所に行って確認しますが、新人さんだと官民査定が終わっているかどうかの調査漏れが多かったりしたかも
マス:ありますねー。そういう関連で言えば、年度替わりは配属変えで不慣れな担当が多いので注意が必要ですね
ノン:なるほどなるほど
マス:先日、建築概要書を取るのに1時間待たされてさすがに少し怒りました
東:あー役所内で引継ぎが上手くいってない時ありますよね~
マス:新人さんの練習台です!

・現場は情報の宝庫 現地確認を怠るな

マス:市役所もやはり完璧では無いので、データが間違ってるとかもありますし、やはり現地確認が大事ですね。現地は問題の宝石箱
東:そうそう。百聞は一見に如かずと言いますが、ホントに現地に行っておいて良かったということ多くないですか? 僕みたいな零細不動産屋さんだと、大手さんよりもブローカーさんとか地場のおんじから物件を買うことが多くて、聞いてない内容が現地に眠ってることが多いんすよ。だいたいが道路・境界・越境の問題。三種の神器
ノン:土地、戸建だとまずそこを見ますよね。現地見ないとわからないことがほとんどです
東:地方だとトラブルでも変わったことがありそう
マス:昔は今ほど建築確認とか色々うるさくなかったのかめちゃくちゃな物件多いですw僕は築古の中古をよく取り扱うので、本当に現地調査をよくしないと痛い目に合います
東:夜でもライト持って見に行くことあります
マス:それは凄い
東:時間かけると物件が蒸発しちゃうから…
マス:なるほど!都会はスピード感全然違いますよね
東:今は特におかしいですからねー
マス:こちらは逆におかしいくらい下がってますw ほぼタダになってる物件もチラホラ…
東:エリアで需要が全然違うのかな…
ノン:下がってるんだ。限界都市感じる…
マス:消滅可能性都市ですw

東:さて、調査がいかに大事か。具体的な例を話して行きましょうか。公図上で道路の筆が分かれているなら良いんですが、下の図みたいに宅地と道路が分かれてないケースありますよね

東:こういう場合、お隣さんとの筆との境目を中心にして、下図の色付き部分のように道路が入ってるだろうと判断するのが一般的かと思うんですよ

ノン:よくある2項道路ですよね
東:そう、ありがちなヤツ。でも僕が担当してた物件bは測量の結果、こうでしたからね。ツラくない?建てられないんだけど。僕が駆け出しの頃にブローカーさんから押し付けられた物件で、調査って難しいなと思いました。ブローカーおんじは「大変だったんだってー?」でおしまいですからね

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