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全宅ツイ不動産チンパンジー情報 第77号

【特集】物流を愛し、物流に愛された男たち

峰:風光る季節ですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。今日は新緑の季節にふさわしいテーマ「物流不動産」です。今回は物流を愛し、物流に愛されたこちらのメンバーに色々教えていただきたいと思います。

峰不二夫(以下、峰):1ヶ月前から売りでやっていた案件に買い付けをまとめて持って行ったら、ご親族が出てきて「今売って親が死んだら俺に家賃入らなくなるだろ」の一言で案件ぶち壊れました。正直不動産で千三つとかやってましたけど私の場合万三つくらいです。

rea:不動産鑑定士のreaです。マニアックな回なので、全チンの売上ワーストを記録してしまうのではと今から恐れています。

リチャードホール(以下、リチャホ):毎週末に無くなる1万円を探しながら放浪していたら、地方どこでも対応できるようになってしまったブローカー、リチャホです。

表面3%(以下、表面):表面3%です。ファンドで物件を買うお仕事をしています。幼少期に父親が爆発して、実家が表面利回り3%で祖父にリースバックされていました。いまは相続で母の持ち物になっています。

・物流はタワマンより儲かる?

峰:なぜ物流なのか。実は私の個人的な興味なんですよね。先日、なぜか手が滑って湾岸のタワーマンションを「倉庫」呼ばわりしてしまったところ、リチャホさんからこんな引用リツイートをいただきました。

峰:「えっ、タワマン建てるよりも物流用地として売った方が価格伸びるの?」と驚いたわけです。私にしてみたら湾岸エリアってタワマンの象徴みたいなイメージがあったので。最近の物流マーケットってそんなイケイケなんですか。
rea:東雲とか有明は物流素地なんて殆ど出ないし、出たらマンションよりロジになっても全然おかしくないですよね。
表面:うん。湾岸の準工とかほんと出ないんで、物流出来たらとんでもないCAPになる。
リチャホ:ここ4.5年くらいですかね。EC市場の成長も手伝って、マーケットの拡大がハンパない。
峰:ネットショッピングの配送のための拠点が拡大されてるってことですか?
rea:AmazonとかYahoo、アスクルとかの荷物を置いておく倉庫が全国都市部でめちゃくちゃ増えてますね。
リチャホ:EC拡大→荷物が増える→施設の需要拡大。単純に考えるとこんな感じでしょうか。
峰:なるほど。ここ数年で急拡大してるんですね。物流施設って「倉庫」のイメージしかなくて、森下とか瑞江の国道沿いにある築50年の資材置き場みたいなのしか浮かんでこない。
表面:物流施設を大別すると、保管と発送がメインの倉庫(DC、ディストリビューションセンター)と、仕分けメインの通過型の倉庫(TC、トランスファーセンター)があります。さっきのネット通販向けが前者で、後者はコンビニチェーンがまとめて入庫したものを各店舗に仕分けして発送するような施設です。
峰:なるほど。では、そうした施設が都心に近い場所に続々と作られているというのはなぜなんでしょう? 物流スピードが上がるから? 私の家は千葉ですが、船橋にAmazonがあるおかげで翌日配送してくれるので助かっています。
表面:スピードもそうなんですが、最近は人手不足なので雇用確保の面も大きいです。「郊外だけど高速道路が整備されてます!賃料が安いです!」って言っても、その地域に人が住んでないから雇えない。特に通販向け倉庫は発送業務があるので、どうしても人手が必要になります。
rea:大体どこの倉庫の売り文句にも「周辺の人口は〇人で雇用確保が容易!」みたいに書いてありますね。
リチャホ:若干遠隔地だとシャトルバス出したり必死ですもんね。人の確保大事。
rea:Amazon行きバスに人が詰め込まれてるの見ますよね

峰:アマゾン…。物流への通勤って基本的に車通勤だと思っていました。
表面:社員さんだと車通勤多いですけどね。あゆのステッカー貼ったワゴンRがたくさんとまっています。主力がパートさんだとなかなかそうもいかない。
rea:あゆのステッカー、ふさふさのファー、キティちゃんのサンダルは3点セットですよね。
表面:柏や流山によくみられる光景です。
峰:ちょっと前、湾岸の某所に物流施設ができるという計画が持ち上がり、近隣住民が「こんな住宅街に、トラックが出入りする物流施設を作るなんて危険じゃないか!」と憤っていましたが、そもそも人がいないところでは物流施設は作れないということなんですね。
表面:そうですね。

・物流施設が「都心」で増えるワケ

峰:なるほど。でも、都内は土地代が地方とは比べ物にならないぐらい高いじゃないですか。なんでタワマンよりも物流が強くて、価格が出ることになるんですか?
リチャホ:個人的なイメージとしては、物流施設はマンションより建築費が安価なのと、完成までの時間も短い。テナントも多くないから入居も安定してるし、管理も楽ってところが人気を集めているのかなと。
表面:リチャホさんの仰る通りで、投資する側からすると、管理は相対的に楽だし1物件あたりの価格が数十億~数百億と大きい。世界的に投資資金が余っている中で、各社なるべく効率よく予算消化したい。なので価格規模が大きければ利回りを下げてでも投資したい。
rea:建築費は最近上がってるとはいえ、坪50万とかですかね
峰:あ、全然安い。マンションだと坪100ぐらい?上がってるから120万円くらいか。
表面:数年前は40万切ってました。今年が過去最高にあがって、それでも坪45万くらいじゃないですか。
リチャホ:一時期は35万とかでしたよねー。今は小さいと50万乗るイメージです。
rea:有明にでっかいユニクロの倉庫があって、大和ハウスのユニクロ専用私募リートに入ってるんですが、この土地の入札2番手はマンデベのゴールドクレストだったので、もう結構前からロジ>マンションだったんでしょうね。
峰:ブリリアタワーの隣だ。

峰:倉庫って、建てた後はテナントを埋めて転売するのがオーソドックスだって聞いたことがあります。物流っていうと難しく聞こえるんですけど、投資用の箱作ってるって言われるとなんかストンと来ます。
リチャホ:その理解で概ね間違いないですw 近年は物流のアウトソーシング化も活発で、テナントの床需要も増えてるんですよ。昔は自社倉庫と自社の物流会社構えてたような会社が、外部に委託しちゃう。
峰:ほうほう。
リチャホ:スリーピーエル=3PL(サードパーティーロジティクス)ってやつです。

表面:僕らは「サンピーエル」と呼んでいます。
rea:スリーピーエルじゃないんだ…。
表面:それは流派ありそう。
峰:派閥があるんですかw 
表面:呼び方はさておき、この3PLがテナントとして結構な割合を占めています。例えば1万坪の倉庫があるとすると、2500坪ずつ4社に貸すのは面倒ですよね。
峰:面倒。
リチャホ:すごい面倒。
表面:なので3PLにまとめて貸しちゃいます。で、彼らはその床を自分の荷主複数社に転貸します。
峰:3PLからユニクロ、アマゾン、楽天、カインズの4社に貸すってイメージでよいでしょうか
表面:ユニクロやアマゾンとかだと専用センターだったりしますが、概念はそんな感じです。彼らは床を貸すだけではなく、保管・発送作業を請け負って収益を得ます。
rea:ここでの3PLは佐川とか日通をイメージすればいいですよね。
リチャホ:ですです。3PL業者は色んなところから物流業務の外注を受けているので、パズルみたいに組立できるんですよ。このように、さっき言ったECの拡大以外にも床のニーズがあるので、これだけバンバン建ってもある程度埋まる状況なわけです。
峰:なんでこんなに大型の物流施設がバンバン造られているのかだんだんわかってきた。
表面:あと、昔からある中小規模の倉庫の老朽化による建て替え・集約ニーズで床が消化されているというのもありますね。
峰:その需要はたまに仲介でももらいますね。4つくらい事業所が散らばっているんだけど、全部売って売ったお金で一箇所に集まりたい!みたいな需要。「大和ハウスに行ってくれ!!」ってURL送ってます。
リチャホ:峰ちゃんそれ全部うちで買うから。
峰:明日からリチャホさんのアカウントメールに貼り付けておきます。

・倉庫から始まるまちづくり 驚きの物流最新事情

rea:3PLは発展してるとは言え、まだ世の中には荷主が自前で持ってる倉庫が大半です。ただそれらは表面さんの言うように古くなって非効率なので、最新の倉庫需要が高まってるんです。
リチャホ:最新の倉庫ってクソかっこいいんですよね。
rea:リチャホさんのイチオシ倉庫どこですか?
峰:(イチオシ倉庫とかみんなあるの…)

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