有機農業法人社員2009~トライアル&エラー
私の研修が始まった2006年ごろ、常時野菜を持ってくる農家さんは5軒くらいでした。
2007年から小祝政明さんのBLOF勉強会(当時、こんな通称は無かった)を半年に一度、2日に渡り開催していたので、学びにきた農家さんで縁ある方とは取り引きが始まりました。
他方、離れていく農家さんもいました。
理由は色々あるでしょうが、ここで部外者になった私が故人について語ることは憚られるのでやめておきます。
生産量と品質が向上した農家がほとんどでした。少なくとも「悪くなった」という声はありませんでした。
理由としてはBLOF理論がわかりやすかったから。分からない方には難しいのかもしれませんが、ベテラン農家にとってはジグソーパズルの穴が埋まるような感覚だったのでしょう。でも、伸びたのは若い農家さんでした。
農学は理系なので、工学部出身だとロジカルに理解し、のみこみが早い。私のような文系はいろいろ抜けてしまってました。
2009年から14年経った2023年だと分かることも、当時は分かりませんでした。
このころKでNさんに言われてできなかったのが「夏場の葉物野菜」
今なら作れます。というか、やり方わかります。やらないけど。
やり方は分かるけど、今の畑では無理だから。
また、夏場にそうした葉物野菜を作ったとて、費用対効果が見込めないから。
当時のKで出来なかった理由は3つ。
・気温
・堆肥
・ソイルブロックシステム
今なら分かるのですが、いくら標高が500メートルでも、夏は暑い。いや熱い。ましてビニルハウス内。熱すぎて葉物野菜が育たないのです。
そしてそんな熱いなかでもほうれん草を育ててる畑を徳島市で見学しましたが、品質のよい堆肥を大量に使ってました。BLOF理論が分かってたら理解できるのですが、すぐに水溶化する堆肥があれば真夏でも育てられなくはないのですが、そんな優良な堆肥は当時のKの近郊にはなかった。取り寄せたらできなくはないけど、コストがいくらかかるやら。
また、ソイルブロックシステムは夏場に弱かった。すぐに水分が飛ぶので畝に活着するまでに固くなり、また、熱いなか、根を伸ばすことができなかった。
この秋(2023年秋)もソイルブロックではないけど、プラグ苗を育苗し春菊を植えましたが、定植するのは雨天曇天が2日間ある日を選んで植えました。
便利なシステムだけど、自然や植物の適性があるので、それを理解せず、やみくもに取り組んでいてトライアル&エラー、エラー、エラーな日々だったと思います。