有機農業専属スタッフ2008~里芋その3
里芋は大量に育った。推定反収6トン。
順調に出荷していったが、圃場は準高原。秋風が吹くと寒くなってきた。
ここでKの致命的な欠点が2つ。
倉庫や納屋がない。
Nさんの後でどうとでもなるという考え。
里芋がこのままだと寒さで凍みて腐ってしまうので、土を掘ってその中に里芋を入れて生け垣にすると言ってきた。そんなもん手で掘れるレベルではないのでユンボで。それもKには機械がないから外注で畑に穴をほってもらう。
3メートル四方2メートル弱の深さ。それをいくつか掘った。
そこに里芋をどんどこ入れたが、芋が多く収まりきらないが、とりあえず入れた。
そこに覆土をするべきなのだけど、そのユンボはすでに帰ってしまった。結果、単に里芋を穴に入れただけになった。
ここから少しずつ出荷するのだが、まず人手が足りない。アルバイトのおっちゃんを入れたが、まあ半人前。さらにどんどん寒くなってくる。凍みて質も悪くなる。
結果、半分近く腐らせたかもしれない。
その開けた穴も手作業で埋める。
私個人は懲りたので里芋はもうやりたくなかった。さらに、やるのであれば反省し施設・設備を整えないと同じことになるのだと思っていた。
しかし翌年、里芋を植える時期になるとNさんがいきなり
「おい、里芋はどうするんだ?」
と言ってきた。どうするもなにも、昨年あれだけ台無しにしたのに設備変わってないじゃない。それに、3反の畑の半分以上にビニルハウスを3棟建てたのにどこに栽培するの?
第一、種芋なんか無いじゃない。収穫して良いものは売りつくしたし、種芋とろうにも腐ってしまったし、そもそも種芋を残しておく指示されてないじゃない。
こういう計画性のなさと、突発的に言い出すのにはほとほと振り回された。
後年、独立したときにKと小祝政明さんに学んだ技術で育てることができるものはそれなりにあるが、設備が足りないので根菜類や芋類は基本的にやらない。倉庫や納屋がないから在庫保管できないので、そんなもん作らないようにしてる。
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