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遮っていた音
家を出てエレベーターに乗り一階に着いたとき、あることに気づいた。
イヤホンを持ってくるのを忘れた!
今日も一日仕事頑張ろうと家を出たのに早々に出鼻をくじかれた。
イヤホンがないと色々と不便だ。
音楽を聴くにも、動画を見るにも、読書の集中力あげるためにも使う場面が多い。
イヤホンなしでスピーカーで垂れ流しというわけにはいかない。
他の人の迷惑になるし、そもそも何を聞いているか、見ているかを他の人に知られるのも恥ずかしいし。
どうしたものか、今から戻って取りに戻ると電車に間に合わない。
今日はイヤホンなしで過ごすしかないなとあきらめて駅に向かった。
出勤時の電車の中では基本的に本を読もうと意識しているが、スマホをいじってYOUTUBEを見てしまうことが多い。
目ぼしい動画がなければひたすらスクロールして結局何も見ずに終わることもざらにある。時間の無駄だったと後悔し反省するもなかなか癖が治らない。
しかし今日はイヤホンがない。動画を見るにも音が聞こえなければ面白くない。
ついついやってしまう癖もこれではお手上げだ。
そして車内はかなり静かだった。
出勤前の人が多く、基本的に一人の人が多いので会話をすることもなくスマホをいじったり、寝ている人が大半だ。
カタンコトンと心地のいい電車の音だけが社内に流れる。
イヤホンで外の音を遮らなくても車内は静かで集中できるではないかときづいた。
スマホをいじらないで済むおかげで読書に専念することができた。
これは嬉しい発見だ。
そして職場の最寄り駅について、職場までの道すがら久々に外の音を聞いた。
車の音、電車の音、人の声、鳥たちの鳴き声、風の音、いろんな音が聞こえてきて、よくある都会の喧騒なのだがなぜか新鮮に感じた。
いつも仲良さそうに歩いて駅まで向かっているカップルの声はこんな声してたんだ、横断歩道前で待ち合わせしてしゃべっているおじさんたちの声も聞いたことなかったし、どっかの会社の守衛さんの挨拶の声などイヤホンをしていて気づかなかったことがいろいろ発見できて面白かった。
昼休憩の読書タイムではやはりイヤホンの偉大さを改めて感じた。
テレビでの人が話している声が耳に入ってくると、頭をそっちに持っていかれて集中力が続かない。
テレビと本に脳があっちいったりこっちいったりと忙しかった。
この件で気づいたことは出勤時と帰宅時は別にイヤホンいらないなーということ。
イヤホンは職場のロッカーに入れといて昼休憩だけ使えばいいなと思った。