だから、ぼくはヒーローになれない episode 15 -エモい企画書をつくるなら映画を見ろ-
こんにちは、イイジマケンジ|kushamiです。
みなさん、企画書つくるの好きですか?
はい、僕は大好きです。上手いかどうかは別として。
なぜ好きかというと、「企画書づくりは映画づくりと似ているから」。
今日はそんな話。
新海誠監督が語る、映画で最初に必要な3要素
「天気の子」の新海誠監督が「天気の子」特典ディスク映像として、公演映像「『天気の子』-物語の起点-」で、映画をつくる起点について語っている。
この映画をつくるためにまず必要なものはなんでしょうか。
観ていただいたようなアニメーションのビジュアルのデザインや、あるいは、キャスト・キャスティング、RADWIMPSによる音楽、すべてをつくるためのお金だったり、必要なものは本当にたくさんあると思うんですが、ただ、最初に必ず必要になるものがあると思います。
それは「テーマ」と「キャラクター」と「物語」、その3つだと思います。
「テーマ」と「キャラクター」と「物語」
(「天気の子」特典ディスク1~3ダイジェスト映像より)
新海監督が映画づくりの最初のステップとして「テーマ」「キャラクター」「物語」を挙げたこと。当たり前かもしれないけど、これって生活でも仕事でもなんでもこの3つに尽きるんだよな、とつくづく思う。
企画書の根幹も「テーマ」「キャラクター」「物語」
企画書づくりも結局この3つが決まれば、あとはどんどん肉付けするだけだと思っている。「ビジネスにおけるキャラクターって?」等など疑問なところはあると思うけど実はカンタン。
テーマ :As-is(現状)とTo-be(あるべき姿)をつなぐコンセプト
キャラクター:主要なステークホルダー(売り手・買い手・世間)
物語 :戦略/戦術
「テーマ」は”あなたはこの企画書で『何を』伝えたいのか?”という、あなたが物語を通して伝えたい「教訓=コンセプト」なのである。コンセプトは物語を一貫してつなげるための根幹となる。
「キャラクター」は、この物語に登場するステークホルダーだ。それは、プロダクトやサービス自体でもあるし、会社内の関係者でもあり、生活者でもあり、社会でもある。
特に仕事をしていると、このキャラクターの解像度が低いまま物語(戦略)をつくってしまうことが多々ある。(自戒を込めて書いている)
映画の登場人物の輪郭がぼやけたままの作品には感情移入ができないように、生活者や世間のインサイト(意識下のスイッチ)がハッキリしていないと伝わらない。
「物語」は戦略および戦術だ。アイデアが物語の核となす。このへんは話が長くなるし、業種によって具体的な内容が異なるので割愛する。(逃げてるわけじゃない)
昨今、ビジネスの現場において「ストーリーテリング」が求められるが、ストーリーテリングこそ、「テーマ」「キャラクター」「物語」の3要素で成り立っている。
このストーリーテリングは現代のPRパーソンにとって最も必要なスキルだといえる。パブリシティとかも大事だけど、パブリシティも成功するシステムが成り立っているストーリーテリングを実践できることが本物のPRパーソンであろう。
参考だが、メンバーズのグループ会社の社長をやられている白井恵里さんのTweetで、企画書の必要な要素が全てを網羅しているので必見だ。
たぶん、本当にこれだけ。この型に対して、「テーマ」「キャラクター」「物語」を加えられるかで、企画書の温度が変わってくる。
PRパーソン的エモい企画書の”型”
特に、インサイト(Whyの掘り出し)→コンセプト→戦略(コアアイデア)がその企画書がエモくなるか、クライアントの心にビシッと刺さるものになるかの分岐点となるであろう。
あなたの企画書はエモいか
企画書には”温度”がある。ビジネス上、数字が全てだという人もいるけど、企画書もやはり読み物的要素が必要だと僕は考えている。
”温度”こそエモさである。
僕らはいつだって映画のようなストーリーを求めている。
自分がやっている仕事が、世界中の誰かに届き、少しでも役に立ったり、感動を与えたり、なにかをするキッカケになったり、そういうことを望んでいる。
企画書をつくるとき、自分の仕事をするときに、「どんなストーリーが良いだろう」と考えながら企画を考えると、その企画書に体温が加わり、エモくなっていく。
マーケティングでも、ブランディングでも、PRでも、広告でも、システムインテグレータでも、どんなものでも言葉ひとつで企画の温度が変わってくる。
すべてのビジネスマンが、クリエイティブパーソンになるために。
そのサポートができることを、僕は創造していきたい。
僕もオリジナルの映画のような企画書をつくり、みなさんにカタチにして届けたいと思っている。乞うご期待。