ひとに任せる ”勇気”
わたしは、自分の仕事を人に任せるのが苦手である、という話。
「宅急便、だれが送るか」問題
あー、どうしようかな…。
と、相手を前にして悩むのは、なんとも失礼なことだと思う。
相手を信用していないことを、言外に伝えることになるからだ…。
”こういうふるまいの積み重ねが、人間関係を壊していくのだ”
自らにそんな、説教を聞かせてやりたくなる。
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新規業務で必要な物品を、大量に発送する必要があった。
本来ならば、自分で確認しながら発送した方がいいのはわかっている。でも、時間がない。まぁ、その時間を確保しにくくなるほど追いつめられる前になにかできることはなかったかと、その点は悔やまれる。とはいえ、いまさらそんなことをいっても仕方のないことだ。
迷った末、後輩に任せることにした。
正直、自分でやりたかった。
心配だからだ。
みょうな不安
たかだか、段ボール箱に伝票をはって、宅急便の営業所にもっていくだけの仕事だ。
高校生のアルバイトでも、十分できるだろう。そんな仕事を、後輩に任せることをためらう自分。
なんで、こんなことも任せたくないのか…。
それって、なんか変だな…。
と、ふとそんなことを思う。
それでいいのか
たかだか、それくらいのことさえ、任せられない自分。
結局、全部自分でやることになってしまう。それで自分があわただしくなっていくのだ。
それぐらいのこと、やってもらえばいいだろう。
それができない。
なぜか。
考えてみると、こんな答えが浮かぶ。
① 仕事を、自分の納得するクオリティーのものにしたいから。
② 自分がまかされた仕事の成果、それをすべて自分のものにしたいから。
まぁ、こんなところだ。
うーん。ココロの闇だな。
とくに、② が。
他者を信頼する勇気
① 仕事を、自分の納得するクオリティーのものにしたいから。
② 自分がまかされた仕事の成果、それをすべて自分のものにしたいから。
こうやって、文字にしてみると、なんとも陳腐な理由だ。(① はまだましな方…。) だが、いずれにしても、思うことがある。
他者を頼るには勇気がいる。
他者の経験のため、他者への信頼を示すため、他者を受け入れるため。
そのための勇気。
勇気をもって、自分の責任の下に、他者を信頼する。
最初はうまくいかなくても、その積み重ねの末に、うまくいくこともあるだろう。わたし自身が、これまで他者を信頼するという経験をしてこなかったことが、いまわたしにとっての不利益を生み続けているのか。
結局、そういうことの積み重ねだ。
今回、仕事を任せた後輩は、一緒に仕事をするようになって3年が経つ。
素直で仕事にはまじめに取り組んでくれている。一方で、スキルの幅が広がっていないような気がしていた。それも、彼個人の問題というよりは、周りの環境が悪いせいなのだろう。
もっと、いろいろ任せてしまえばよかった。
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今回は、たまたま、発送作業をすべて後輩に任せた。状況がそれを促したからだ。
クルマに荷物を、ぎゅうぎゅうに詰め込む。
(じゃぁ、いってきます。)
走り去っていく、クルマを見送りながら。
感じたのは。
信頼しきれないことへの。
罪悪感だった。
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