私は仕事ができない
一般的な雇われ形態、あれで自立できるほど稼ぐのは不可能と判断した。体調がぐずつきやすい。信頼できない他人の言うことを聞くのが嫌いだ。協調がつらい。
ならば?
私は絵を描きたい。ゲームがしたい。芸術と娯楽と空想の世界に浸っていたい。
絵を仕事にしようとした。なぜだか腰が重い。描けない。
なんとなくわかってはいる。
「相手の注文に合わせる」
「数をこなせる」
「わかりやすい」
「かわいい」
「納期」
世の流れに乗っていけるスピード。
サッと目を通せば消化できる軽さ。
そういうのが絵師として求められているのではないかと思う。
しかし私は虚しさを覚えた。
すぐに消えてしまうようなもの、そんなものに何故、時間も魂も割かねばならんのだ。
作るからには、一生懸命だ。
流行らなくても理解されなくてもいいから、「残るもの」が作りたい。
残したい。
ファストフードのような「間に合わせ」が「仕事」なのだとしたら。
私は絵を仕事になんかしたくないのかもしれない。
私は本当に仕事ができない。
(お金になることばかりが「仕事」じゃないってのはわかるんですけど、お金システムがある世界の方が慣れとるんでお金がほしいんです、人の心ほど不確定でおそろしいものはない)