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秋うらら朝のテーブル光満ち
半年の抗癌剤服用が終わった。自分の体と長く仲良く付き合ってゆきたい。
わたしは手術後、食事に関しては『3ない』でやっていく方向に自分を向けていった。
『3ない』の1は「がんばらない」2は「時間をかけない」3は「お金をかけない」である。
朝、5時に起きるとすぐ野菜ジュースとかコーヒー牛乳とか水分のものにヨーグルトを添える。お茶と果物だけのときもある。冷蔵庫にあるもので十分。
朝の光をテーブルに受けながら、洗濯機を回し、新聞を読む。なんということもない日常の始まり。これが生きるということだ。
7時ごろ。娘と二人、外に出る。行く先は『ガスト』か『山田うどん』『すき家』。朝食サービスやっているのはこの3軒だから。ゆっくり歩いて15分ぐらい。すれ違う自転車の中学生たちのはじけるような笑い声、話し声を聞きながら。
上げ膳、据え膳で二人食べて千円前後。『山田うどん』『すき家』では早朝の労働を終わったようなオトコたちが2、3人で黙々と食べて、さっさと出てゆく。
『ガスト』はフリードリンクがついている。ゆっくり、いろいろな飲み物を飲みながら、店内を観察するのも楽しい。
一人の客、老夫婦らしい二人連れ。静かにパソコンに向かっている人。黙々と食べている人。一人でニコニコ笑いながら嬉しそうに食べている人。それぞれの朝食風景だ。
わたしは朝食は『豚のホルモン』とか『サバの塩焼き』『いろいろバランス定食』と大体決めている。自分では作らないタイプの食事だから。
家に帰ると韓流ドラマ『トンイ』を見る。それ以外のテレビはほとんど見ない。
朝、しっかり食べているからお昼はそれぞれ適当だ。わたしは作り置きの雑穀のおにぎりに海苔、トーフ、納豆、果物を添える。本当に手抜きもいいところ。娘が何を食べているのか私は知らない。それぞれが、それぞれの楽しみ方をしているのだ。
3時のおやつは、ナッツ類に野菜ジュースとか果物ジュース、あるいは牛乳。
夜は必ず娘が作ってくれる。
最近はご飯なしで、具だくさんの味噌汁とサラダ、卵焼きに特化している。二人とも最近体重増加傾向だから。味噌汁にはたっぷりのキノコ類とイモ類が入る。サラダにはチーズとかトマトとか冷蔵庫の物なんでも。
この写真の時は卵焼きがなかったが、海苔やピーマン入りのカラフルな卵焼きをほぼ毎日作ってくれる。
本当に『3ナイ』食事だ。だが、もう十分がんばって生きてきたからわたしは『がんばらない』。あれこれ時間をかけることを娘に要求はしない。
娘にもわたしにも他にすることはあるから「時間をかけない」で、テキトーでいい。
お金はかけなくて十分。
で、栄養的にはどうかと言うと、理想的とはいかないまでもひどく悪くはないと思う。
ベトナムで働いていた娘が帰国してから、自然にこの形になった。いつまで、このテキトーな手抜き食生活が続くかは分からないが、娘がいる間はこのリズムを楽しもうと思う。
大切な事は『長生き』して、わたしがそこにいるだけでみんなが安心するような『わたし』でいること。
春には「春うらら」秋には「秋うらら」を楽しみたい。