抗がん剤の副作用(3)
抗癌剤に関しては、人からの又聞きだが、副作用は相当つらいもので、途中で体力的に耐えられず止める人もいるとか。
実際「夫は抗癌剤治療で寿命を縮めた。受けさせなければよかったと後悔している」という友人の声を聞いた。
わたしの場合は「再発予防のための抗癌剤治療」ということで、やったから絶対再発しないとも、やらなかったから再発するとも言えない、と主治医からは説明を受けた。
再発予防のための「ダメ押し」治療だ、とわたしは理解した。
ツーラウンド目の服薬で副作用が表れた。両手両足がまるでシモヤケのようになって、歩くとピリピリと火の粉を踏んでいるように痛い。
食欲もなくなり、米を見るのも嫌になった。食事を作ってくれる娘が、絶対残さないでよ、という厳しい顔で見張っているので、必死で食べた。
ショックだったのは目の周囲に表れた黒ずんだ隈。疲れたときや寝不足のときの隈とは全く違う。
見ただけで、薬害か病気と思えるようなものだ。
薬の量を半分に減らしてもらい、皮膚科から処方された軟膏を塗って、手足の症状は、だいぶ、治まった。
しかし、顔は紫外線を浴びる箇所だからだろうか。なかなか薄くならない。
コンシーラを厚塗りして、まるで歌舞伎役者みたいな顔!(ー_ー)!!
点滴だと副作用はシミどころではないらしい。傍で見ていられなかったほどの苦しみ様だったという話しを知人から聞いた。
今、体重は退院時より1キロ増え、体調はとても良い。
抗がん剤治療はしなくていいのではないか。このまま体調良好で「生きていく」ほうがいいのではないか。でも、ここまで来たのだから、もう少し頑張ろうか、と心は揺らぐ。
ある日、インターネットの書き込みでこんな記事を見つけた。
『海外では、効果はあまり見られないとして、抗癌剤は使わない方向になっている。だぶついたヨーロッパの抗癌剤を日本が安く買ってじゃぶじゃぶ使って、医療機関が儲けている。抗癌剤治療を受けた人が結局どうなったかは誰も知らない』
書いた人の名前も、いつ、書かれたのかも、根拠はあるのかも分からない記事だから、本気にはしていない。
それでも……
まったくあり得ないことではない、と思ってしまうのだ。
新型コロナの治療薬開発、ワクチン開発に関しても、うっすらと見えてくるのは、雲の糸のように張り巡らされた利権と国の力関係。
製薬会社は人道支援しているわけではない。薬を開発するのにどれほどの研究費が掛かっているか考えると、儲ける権利はあるとわたしは思う。
それでも……
『自由診療。1コース100~200万円。副作用で苦しむことのない画期的がん再発予防治療』
取り寄せたパンフレットを片手にため息をつく。どこまでが事実か、そもそも、自由診療自体があやしげな治療なのか。
結局、お金がある人は、さまざまな治療を試してみることができるが、健康保険使わないと資金繰りが難しい人は、足の腫れも顔のシミもあきらめるしかないのかなあ……