本の居場所
先日、富山県内の毎日新聞が今年9月末で配送を休止すると発表した。今度はトーハン。
トーハンがコンビニに雑誌を配送しなくなることは予想出来たけど、ちょっと早く訪れてしまった感がある。
本屋業界はトーハンと日販が仕切っていた。
出版社や小売店よりも卸屋が強い業界だったし、再販制度が歪なカタチを保護してきたけど、消費社会に追いつけなくなってしまった。
コンビニの坪効率を考えたら、雑誌や漫画や文庫や新書がいつまでも置ける場所はない。実際、最近改装した近所のファミリーマートでは本の場所がATMの近くに移されていた。
もう「よく売れる」商品ではないのだ。
配送が出来なくなったのは物流業界の影響だと言うけれど、熾烈なコンビニの売場に再版制度で守られた「文化」の居場所は無い。
「コンビニ本」と言われるものが守るべき文化なのかと言えばまったくそうではない。
漫画を立ち読みしながら買える場所が無くなったように、漫画を買う場所もコンビニではもうないのだと思う。
背表紙を眺めて保管したくなるモノには別の場所が似合う。衝動買い、ついで買いをする場所に本が居れるとしたら、その組み合わせに生活雑貨や食料品が無くてもいい筈だ。
本は立ち読みして良い。
漫画を立ち読み出来る場所はみんなの避難場所だ。
お金を使わなくても居れる場所とお金を貯めて買うものがある場所は近いほうがいい。
TSUTAYAが作り損なった図書館と本屋の未来図は間違って居なかったと思う。(拙速だったけれど)
贈り物を選べる、将来を考える、世界を調べる、そんな「図書屋」(成人コーナー有り)があったら楽しいけどな。
廃校丸ごと図書屋にして、地区の図書館を吸収しちゃったほうがいい。
本の居場所はうつろうけれど、きっとある。
コンビニや売店に無くなっただけだ。