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「草の葉メソッド」入門編


《草の葉メソッド》は、母国語である日本語の土台が作られている中学生からのスタートです。したがって入門編は中学生を想定して作られていますが、草の葉メソッドの学習の仕方などが織り込まれていますから、英語の基礎体力をつくるためにも、この入門編から取り組まれることをお勧めします。

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 第1課  ぼくの名前は太平洋です

ぼくの名前は森田太平洋です。だれもがタイヘイヨウと読みますが、オーシャンです。英語のオーシャンです。どうしてこのような名前が付けられたかというと、ぼくの父と母はアメリカで生活していたわけです。父の仕事がアメリカだったから。それでぼくがお母さんのなかにつくられたというか、妊娠したとき、お母さんはぼくを母の実家で生みたいといって、飛行機ではなくて、ゆったりと船の旅で日本に帰ってきたわけです。そしたらその途中で生まれたのです。つまり太平洋の海の上で。それで太平洋とつけられて、最初はタイヘイヨウでしたが、しかし小学校の五年生のとき、英語のわかるやつがいて、ぼくをオーシャンって呼んだんです。それでクラス全員で呼ばれるようになって、それからは、ぼくの名前をオーシャンにしました。これがぼくの正式の名前です。ですからぼくをオーシャンと呼んで下さい。

対話編
A やあ、元気?
B 元気だよ、君は
A 私も元気よ、ねえ、あなたのこと訊いていい?
B もちろん。いいよ。
A あなたが一番好きな科目は?
B ぼくは数学だな。君は?
A 私は国語。
B 国語か、じゃあ、君が一番嫌いな科目は?
A 数学ね、あなたが一番嫌い科目は?
B 国語だな。
A 私たちは正反対ね。二番目に好きな科目は?
B 音楽だな。
A ああ、あたしも音楽。あなたはどんな音楽が好きなの?
B ぼくは子供のころピアノを習ってたんだ。
A そうなの。
B でも小学校二年生のとき、やめちゃった。
A そうなんだ。
B 挫折しちゃったんだ。いまでは後悔している。
A でもまた始めたら。
B もう無理だな。
A そんなことないよ、あたしはまだピアノ習ってんのよ
B えっ、そうなんだ、いつか君のピアノきかせて。
A いいわよ。
B いま何を弾いてるの?
A バッハのパルティ―タ。
B バッハか、バッハはいいよな
A そう、弾けば弾くほど、音楽が深くなるの。
B 君のピアノを聴いたら、また始めようと思うかもね。
A あたしのピアノが下手だから? おれに方がうまく弾けるって?
B そうじゃないよ、君のピアノに感動してだよ。
A お世辞でも、ありがとう。

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第2課  私はいま料理づくり燃えています

こんにちは、初めまして。私の名前は長田渚です。ナギサと呼んで下さい。私は品川に住んでいます。中学二年生です。私の家族は父と弟と私の三人です。母はいません。私が九歳のとき、父と母は離婚しました。母は別の人と結婚して、いまは千葉県に住んでいます。いろいろとバトルがあって、つらいことがたくさんありましたが、いまは三人で平和に暮らしています。
私の好きな学科は数学です。けれども関数のところでつまずいて、いまちょっと落ち込んでいます。二番目に好きなのは国語です。私の嫌いな学科は英語です。英語がよくわからないのです。
私がいま一番燃えているのは料理です。父と弟のために毎日作ります。私の夢はレストランをつくることです。それも日本ではなく、ニューヨークに。おっ、そうか、そのために英語はしっかりと勉強しなければいけないか、と反省しています。

対話篇
A おまえが一番好きな食べ物は?
B カレーかな。
A カレーにもいろいろあれけどさ。
B ある、ある、カツカレーとか、エビフライカレーとか、コーンカレーとか、納豆カレーもあるよ
A まじかよ、そんなもんあんのかよ。
B おれ、食ったことあるよ。結構うまかったよ。おまえの好きな食べものは?
A やっぱ、ラーメンかな。
B ラーメンにもいろいろあるけどさ。
A ある、ある、豚骨ラーメンとか、味噌ラーメンとかさ、醤油ラーメンとか、おまえの好みはなにラーメン?
B カップラーメンかな。
A カップラーメン!
B あれってさ、お湯そそくだけでいいじゃん。
A あのさ、話ちがうけどさ、この渚って子の自己紹介って、おかしくない。
B どうして。
A だってさ、父と母は離婚しましたなんてさ、ふつう言わないよ。
B 言わない、言わない。
A それでさ、母は別の人と結婚して、いまは千葉県に住んでいますなんてさ。そんなことおれはぜったいに言わないよ。
B あっ、そうか。おまえんちも離婚してんだよな。
A だからさ、おれはさ、母子家庭だなんてぜったいに言わないよ。
B 言う必要ないんじゃない。
A 家のなかはもうぐちゃぐちゃになってさ、そういうことは言いたくねえよ。
B おれんちだって危ないよ、いつも喧嘩してるしさ。
A おまえんちは、ぜったい大丈夫だよ。父ちゃんも母ちゃんもりっぱだしさ。
B そんなことないよ、隣の芝生はよく見えるというやつでさ、けっこう荒れてんだよ、おれんちも。
A 子どもが一番傷つくんだよな。子どもが一番の犠牲者なんだよ。おれは大人たちに言いてえよ。もっとしっかりと生きてくれってさ。
B この渚って子も、すごく傷ついているはずだけど、なんか明るいよな。
A うん、性格が明るいんだよ。
B なんか前向きでさ。おれ、こういう子、好きだよ。

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