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「草の葉メソッド」上級編

第1課  英語が話せるようになった

 
私は過去三十五年間、ひたすらまじめに英語を勉強してきたが、それなのにほとんど英語が話せなかった。海外の旅に出るたびに、英語を自由に話せたらどんなに楽しいかと思い、旅から帰るたびにNHKの語学番組に取り組んでみたり、語学教室に通ったりしてみたが、さっぱり変わらなかった。ところが《草の葉メソッド》のレッスンを受けて、ちょっと信じられない変化がおこっていった。英語が話せるようになったのである。先ごろイギリスからアイルランドへの旅をしてきたが、なんと私は現地の人たちと英語で深い会話をかわしているのだ。ダンブリンでは、知り合った現地の人と、ビールを飲みながら文学論を交わしている。それは私には奇跡のような出来事だった。いったい三十五年間の私の英語の勉強はなんであったのか。つくづくと私は間違った英語の勉強をしてきたと思った。とりたてて語学の才能があるわけではない私のような人間が、英語をすらすらと話せるようになる《草の葉メソッド》は必ず世に広がるだろう。いや広げなければならない。このレッスンを日本の隅々まで広げて、一刻も早く無駄な勉強をしている日本人を救い出していただきたいと思った。

対話編
A 日本人の英語学習ってすべてインプットなんだよ。
B 学校の英語の授業がその最たるもんだ。
A このCDを聞けば英語が話せるようになるって大宣伝にのって、そのCDを買って一生懸命に聞くけど、やっぱり話せない。これもインプットだ。
B ああいう大宣伝は,誇大広告というか、一種の詐欺行為だな。
A 青木さんは語学教室に通ったと書いてあるけど、その語学教室だって、結局は外人の教師たちによって英語をインプットさせられる場所だろう。
B たしかにあそこもアウトプットさせる場所じゃない。アウトプットさせるには、そこに教師がいてはだめなんだ。
A そうそう、そういうことなんだよね。教師はすぐに訂正する、それは間違っています、正しい英語はこうですと生徒たちの間違いを許さない。教師というのは、生徒たちに正しい英語を教えるという人種なんだ。
B そんな人たちがいるところではアウトプットのトレーニングはできないよ。英語学習をアウトプットにするっていうことは、最初は単語をつなぐだけでいい、どんなに間違った英語でもいい、とにかく話せ、とにかく大量に話せというということなんだ。
A 言葉というものは表現しながら獲得していくもんなんだよな。
B ぼくたちは英語が話せないのは、インプットの量が足りないからだと思っている、英語を自由に話せるようになるに、もっとたくさんの英語をインプットしなければならないと思っている。
A そうそう、それで青木さんは三十年間、ひたすら英語をインプットさせる学習を続けてきた。おそらく膨大な量の英語を青木さんはすでに蓄えていたんだよな。
B 青木さんはダンブリンのバーで、現地の人と文学論をかわしてきたって書いているけど、ダンブリンはジェイムス・ジョイスの国だよ。おそらく青木さんは、このジェイムス・ジョイスのことなんかを現地の人と話したんじゃないのか。
A アメリカ人やイギリス人の会話をみとる、ほとんど中学生レベルの単語で話されているだろう。Takeとhaveとgetとmakeとgiveを駆使して。
B そうなんだよ、中学生が学ぶ単語で十分に、ダンブリンで現地の人と文学論ができるんだよ。
A 青木さんがそんな会話をできるようになったのは、アウトプットのトレーニングをはじめたからだね。恐れることなくデタラメ英語をどんどん話せというトレーニングを。
B そのトレーニングによって、青木さんを呪縛していた文法のトラウマってやつを追放していったんだろうな。

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第2課 変化を求めないこと、それが最も危険だ  

私たち人間の最も素晴らしいところは、常に問題を解決して、前進し続けることです。起業家や発明家や開拓者などは、現状に満足することなく、好奇心と情熱をもって常に新しい問題に取り組みます。
アマゾンはときには激しく批判され攻撃されることがあります。しかしそのとき私たちはまず自身の姿を映す鏡を見つめ、その批判が正しいものであるならば、批判される問題の解決に全力を挙げて取り組ます。「批判されることはない」という経営は危険です。批判と創造は表裏一体なのです。画期的なことに取り組むとき、批判や攻撃を受け入れる覚悟がなければ、その事業をはじめないほうがいいのです。
人生の終わりに人がよく後悔するのは、失敗したことに対してではなく、挑戦しなかったことに後悔するのです。人生の意義を満たせなかったことに後悔するのです。それは仕事だけではありません。例えば好きな人に想いを伝えられなかったこと、勇気を出せなかったこと、行動に移せなかったこと、そんなことが私たちの人生を振り返ったとき、深く心に突き刺さってきます。
 事業は厳しいものです。日々忙しく仕事に追われます。幸運なことに私には私を深く支えてくれる家族があります。この家族を思うとき、仕事と生活の調和ということを考えるのです。豊かな幸せな家庭生活を送っていたら、幸福感をもって仕事に励めます。そして仕事がうまくいけば、家に帰っても最高の気分です。仕事と生活は循環するものなんです。この循環が豊かに満たされているとき人は幸福感に包まれます。

対話編
──アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾフのスピーチね。いま彼はビル・ゲイツを抜いて世界一の資産家になってる。
──でも、最近、離婚したのよね、なんでも別れた奥さんに三兆九千億円を支払ったということだけど、私たちの活動に百分の一でもいいから分けてくれないかしら。
──あなたね、百分の一っていくらだと思うの?
──三千万円とか、四千万円のレベルじゃないわよね。
──三百九十億円よ!
──なんか全然スケールがちがう。
──これって、よくある離婚の慰謝料といったものではなくて、なんでもこの奥さんとは学生時代に結婚していて、この奥さんもまたアマゾンの創業者だったからなのよ。
──すごく聡明な人で、小説も書いてる人なのよね。アマゾンがこれほどまでに大きくなったのはこの奥さんの力もあったったのよ。
──あのフェイスブックの創業者、マーク・ザッカーバーグも中国系の素敵な奥さんがいるのよね。同じハーバートでて、教師をしているらしい。フェイスブックがこれほど巨大になったのは、やっぱり奥さんが背後からしっかりと支えていたからだと思うわ。
──一代で世界的企業になっていくのは、そこに必ず聡明な奥さんがいるのよ。これは私、絶対に言っておくわ。
──いまIT産業の巨大企業、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのGAFAが世界を支配しているって大きな問題になっているけど、これはみんなアメリカから生まれているのよね。どうしてこういう企業がアメリカからいつも生まれていくんだろう?
──開拓する精神じゃない。新世界の上陸した人々がまずしなければならなかったのは開拓することだった。そして広大なアメリカ大陸を西へ西へと開拓していった。その開拓する精神がいまでも脈々とアメリ人のなかに流れていると思うわ。
──でもこういう成功の物語の背後には、無数の敗北と挫折の物語があるのよね。
──その数は圧倒的じゃない。アメリカは夢を実現させる国であるけど、夢はこなごなに打ち砕く国でもあるのよ。
──御殿のような大邸宅を建てる大富豪が生まれるけど、おびただしい数の人々が貧困で苦しんでいる。これもアメリカの現実ね。

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