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九十六歳が描く野菜たち

昨年の十月、「周藤佐夫郎×高尾五郎・路上対決絵画展」を行った。周藤さんの十五点の作品はすべて野菜を描いたものだった。玉葱、じゃが芋、蕪、茄子、みょうがと。それらのものが竹で編んだ笊にのっていたりする。このような絵を英語では「still life」というが、なぜか「静物画」と訳されてしまった。静かに物が横たわっている画ということなのだろうか。しかし英語の「still life」は「静止した生命」という意味である。野菜も、果物も、花も生命をたたえている。笊だって、花瓶だって、カップだって、スプーンだって、鍋だって、椅子だって、テーブルだって生きている。いや、そうではなく、それら静止している物が、画家の手によって生命を吹き込まれるということなのだろうか。周藤さんはたしかに静止した野菜に生命を吹き込んだのだ。

くきは

こはし

しとて

なんか

のまき






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